俳優要潤(38)主演のフジテレビ系連続ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲(ソナタ)~」(土曜午後11時40分)の第5話が、4日に放送される。

要が演じるのは、悪徳の汚名をものともせず、法外な報酬を取り、絶対勝訴のためにはどんな手でも使う、悪魔と呼ばれる弁護士・御子柴礼司。凶悪な犯罪の犯人の元少年Aという衝撃の過去を持っている。御子柴の事務所の事務員・日下部洋子をベッキー(35)が、対立する東京地検次席検事の岬恭平を津田寛治(54)が演じる。作家中山七里氏による弁護士御子柴礼司シリーズのドラマ化。

検事の岬を演じる津田は「これは本当に法廷ものなのかなと思うぐらいスピーディーな展開が脚本の随所にあり、とてつもなく上質なエンターテインメントだなと思いました。でもセリフの量に震えましたね。セリフの字数の問題より、内容が。濃い長ぜりふがたくさんあったので、1つやるのでも相当カロリー使う感じのものが当たり前のようにボンボンあったし、岬の吐くセリフが何層にもなっているというか複雑で。これをちゃんとお客さまに届けつつ、岬という人間を表しながら言っていくというのは相当やりがいがある仕事だなと思いました」と話している。

岬について「御子柴より自分のほうが上だと思っていて、御子柴を“やっつける”というより“諭す”というイメージ。『御子柴をちゃんとした弁護士に俺が育ててやる』という思いでいて、ちょっと道を外しているやつ(御子柴)を、ぐっと法の秩序に引き戻すような『更生させてあげるんだ』という思いが大事だなという気がしましたね」。

要との共演は10年ぶり。「現場で岬として会ったとき、あんまりにも御子柴にピッタリ過ぎてビックリしましたね。要くんのいろんな映画を見ていても、やっぱりあの冷酷さが、カッコイイし素晴らしいんですが、久しぶりに会ったら、すごくピュアな少年みたいなまなざしで、ほんのり笑っていて。あんまり現場でニコニコするタイプじゃないのに笑っているのを見た時に、御子柴が冷酷さに隠している純粋な優しさが見えて『予想以上だな』と鳥肌が立ったのを覚えています」と話している。

第5話では、混迷を極める老人ホーム介護士殺害事件。被告人の稲見武雄(勝野洋)は、なぜ被害者の栃野(小多田直樹)を殺害したのか。そんな中、御子柴(要)は、稲見が隠している事実に気付く。沈黙を貫く稲見に御子柴は「たとえあんたに恨まれようが、俺があんたを救ってみせる」と告げる。そんな御子柴に稲見が重い口を開く。「御子柴、お前が本当に救いたいのは…」と。

事件現場の老人ホーム伯楽園を再び訪れる御子柴。ここでは恒常的に入居者への虐待が行われていた。だが口裏を合わせ虐待自体をひた隠しにする入居者たちに御子柴は「このまま稲見ひとりに罪を負わせれば、あんたたちに残るのは罪悪感だけだ」と脅す。

その一方で、検事の岬(津田)は再び稲見を取り調べていた。方や犯罪者に罰を与える検察官。方や犯罪を犯した少年を更生させる元医療少年院の教官。お互いが持つ罪への考え方は全く相いれない。それでも岬にはひとつだけ稲見に言えることがあった。「罪は償うべきだ」と。

少年法に守られ罪を償う機会を奪われた御子柴。だからこそ、大ケガを負おうと悪魔とののしられようと命を削りながら依頼人のために行動している。そのことに気付いた洋子(ベッキー)。罰を受ける方が救われることもある。果たして稲見にとっての救いとは、御子柴にとっての救いとは。介護士殺し事件に衝撃の結末が待ち受ける。