宮沢氷魚(26)大鶴佐助(26)が17日、東京芸術劇場プレイハウスで、同日初日の舞台「ボクの穴、彼の穴。The Enemy」の公開通し稽古を行った。

戦場で塹壕(ざんごう)に取り残された兵士が、恐怖と疑心暗鬼を募らせる物語。

孤独や見えない敵と戦う状況に、コロナ禍の今を重ねた宮沢は「1人になることが簡単になり、コミュニケーションを取ったり、誰かの人生に関わることがおろそかになる可能性が高い。相手の存在、生きていることを確かめて安心するという当たり前のことに面と向かった作品。そんな作品に出られることが光栄です」と話した。

大鶴が「僕たちとお客さんが共有できるのは、目に見えないモンスターがいるということ。生半可な芝居じゃお客さんは納得してくれない。『そんなもん?』と思われたら負け」と言うと、演出を手掛けるノゾエ征爾氏も「戦争は設定にすぎない。今の僕たちと合致する」とした。

宮沢と大鶴は3回目の共演。大鶴は「氷魚ちゃんがこんなに打たれ強いとは。頼りがいがあった」、宮沢は「今まで佐助の目を見た芝居をしたことがなかったので、今回は目の表情、目の変化を感じました。いろんな表情を持っていて、佐助の目はおもしろい」と、互いの発見を語った。

23日まで。