英国の世界最大規模の賭けサイト「ベットフェア・エクスチェンジ」で行われた米大統領選で次期大統領になる人物の賭けで、民主党のバイデン氏に100万ポンドを賭けた身元不詳の人物が、トランプ大統領が敗北宣言を行わないことを理由に賞金を受け取れずにいるとCNNテレビが報じた。

米国内では多くの州で合法的にスポーツ賭博が認められている一方で選挙賭博は違法とされているが、英国では米大統領選への賭けも認められている。CNNによると、この匿名の人物は先月29日に100万ポンドをバイデン氏勝利に投じたが、CNNを含めて主要メディア各社がバイデン氏の当選確実を7日に伝えたものの、トランプ大統領が敗北を認めずに法廷論争を続けているため、結果を公式に確認できないとして配当金54万ポンドと元手の100万ポンドの回収がまだできずにいるという。

同社によると、今回の選挙では史上最高額となる総額5億6700万ポンドの掛け金を集めており、同サイトで行われたあらゆる単一イベントの賭けよりも多かったという。トランプ大統領が民主党のヒラリー・クリントン氏に勝利した前回の大統領選で集まった掛け金は1億9900万ポンドだったといい、今回はその2.5倍以上が集まったことになる。同社によると、これまではメディアの当選確実報道を受けて敗北宣言が出された時点で配当金の支払いが行われてきたが、今回は状況が明確になるまで支払いは行わない方針だという。ちなみにオッズは投票日前日時点で、バイデン氏が1・52で2・88のトランプ大統領をリードしていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子)