映画「偶然と想像」でベルリン映画祭審査員大賞（銀熊賞）を受賞した濱口竜介監督（42）が一夜明けた6日、Zoomを通じリモートで会見を開いた。「会議室のような部屋で俳優とリハーサルすることから始めた、小さなチームで作った映画。コロナ禍で態勢を変えながら完成させたものが、とても大きな映画祭で賞をいただきうれしく思っています」と喜んだ。金熊賞に次ぐ銀熊賞を受賞した感想を聞かれ「期待も予想もしていなかった。本当に驚いている。金より銀が似合うような映画というのが正直なところ」と語った。

「偶然と想像」は3話の短編で構成されたオムニバス映画で、脚本も全て濱口監督自身が手掛け、19年夏から約1年半をかけて製作した。全7話シリーズの予定で「残り4つは、挑戦したいことに応じて話のタネを展開することになる。制作は急いでいない。タイミングが来たら」と語った。

世界で活躍する是枝裕和監督、黒沢清監督、河瀬直美監督に続く、日本映画の次代を担う才能として注目されている。そのことについて聞かれると「その時の自分に撮ることが出来るものを、淡々と撮っていきたい。それをどう評価するかは周囲の問題」と語った。【村上幸将】