ニッポン放送は8日までに、コロナ対策として、紫外線蛍光管を使った空気除菌装置を生放送スタジオに導入した。同装置は、菌やウイルスが滞留しやすい床付近の空気を吸い上げ、高速除菌された空気を常時部屋に送り込み、空気を除菌して循環させるという。

放送局のスタジオはどうしても人が集うことから、既存のコロナ感染対策と併用することで、安心安全の度合いを高める。

同局の瀬尾伊知郎コンテンツプランニング局長は「昨年度より出演者、スタッフの健康を守るべくアクリル板導入に始まり、マイクの除菌などコロナ対策を講じてきました。今回、放送局としては国内で初めて紫外線空気除菌装置を導入しました。引き続きコロナ感染対策として研究者の方々と連携を図って参ります」と話した。

また、カラオケ店なども運営する第一興商グループは、カラオケボックスでの紫外線空気除菌装置とマイクに特化した紫外線除菌装置の導入をスタート。カラオケの利用者だけでなく紫外線による空気除菌装置を利用したい人たちに向けて、全国での販売取り扱いも開始した。

同装置は東工大名誉教授で慶大大学院SDM研究所狼嘉彰名誉顧問と株式会社かます東京が共同で研究を行ってきた。

狼名誉教授は「紫外線を使った除菌装置はすでに工学的な分野では数十年にわたって実用化され知見が蓄えられている分野です。除菌効果が期待できる紫外線は実は太陽光線に含まれていますが、オゾン層や窓ガラスなどによって最も除菌に効果のある波長の紫外線(UVC)は遮断されています。このUVCを使った除菌装置は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために最も有効的な手段の1つであると考え、かます東京と設計・試作・実験などの開発協力を行ってきました。アルコール消毒などの基本的な感染防止対策と併用することでより工学的に意味のある感染拡大防止の総合的なアプローチになると考えます。特に空気の流れの悪い部屋や、換気ができなかったり、し難い場所、長時間休息を取る寝室などの除菌に有効であることが解析で示されています。本除菌装置を工学的に最適な方法で運用することで既存の感染防止対策をより効率的に実現することができると考えます」とコメントした。