NEWS加藤シゲアキ(33)が27日、東京・グローブ座で、原作・脚本を務める舞台「染、色」(29日~6月20日まで同所、6月24~30日まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ)の取材会に出席した。

加藤の短編小説集「傘をもたない蟻たちは」に収録された「染色」を舞台化。美大生のリアルな日常と葛藤を描く青春物語で、関西ジャニーズJr.のユニット、Aぇ!group正門良規(24)が主演する。

加藤が自身の小説を舞台化し、脚本を手掛けるのは初めて。本作では出演はせず、裏方に徹した。壇上では「クリエーターの加藤シゲアキです」と笑いを交えて自己紹介。新型コロナの影響による公演延期を経て上演にこぎ着け「1年前、いい台本ができたねと言った次の日に中止が決まった。1年いろいろあった思いをバネにして、いい作品にしたいと気持ちを1つにしてやって来られた」と話した。

この1年の間に第164回直木賞の候補に選出され、第42回吉川英治文学新人賞を受賞した。作家として大きな注目を浴び、「何かと話題にしていただくことが多かった」と感謝した。

プロジェクトの立ち上がり当初から出演は考えておらず、「自分でやったらイメージ通りにできると思うけれど、そうじゃないものを見たいと思った。自分の手を離れた時、想像を超える演出家の方とやりたいと思った」。演出家の瀬戸山美咲氏へは相当に書き込んだ脚本を送ったといい「読んでいて面白い作品にすることが僕のミッション。ラブレターだと思って脚本を送ったけど、瀬戸山さんは挑戦状だと思ったみたい」と苦笑い。瀬戸山氏も、加藤の熱量に応えるべく発奮したようで「細かくト書きが書いてあった。変えてもいいと言われたけれど、まずはそのままやります」と、裏話を明かした。

主演の正門のほか、三浦透子、岡田義徳も登壇。