テノール歌手秋川雅史(53)が、21年第105回記念「二科展」に出品し1日、彫刻部門で入選した。関係者によると、彫刻部門での入賞は、芸能界では初めてだという。

秋川が木彫刻を趣味にしていることは広く知られていたが、公募展に出品するのは今回が初めて。作品は「木彫楠公像(楠木正成像)」。

秋川は「入選いたしました。ありがとうございます。もちろん私は、歌手なんですが、木彫刻も本気で取り組んでおりまして、二刀流ではございませんが、実はすでにお寺の方にも私の製作した仏像を奉納させていただいております。昨年はコロナの影響でほとんどのコンサートがなくなってしまい、その間はステイホームで家で彫刻を彫る毎日でした」とコメントした。

秋川によると、だんじり彫刻では有名な愛媛県西条市の出身であることから、子どもの頃から、素晴らしい彫刻を目にして育ったという。また、11年前に仕事で訪れたドイツで「鷹」の彫刻を買って帰り、それを眺めていたら自分でも彫れるんじゃないかと思ったのが、本格的に始めるきっかけになったという。

今回製作した「楠木正成像」は皇居前にある銅像に影響を受けて製作。秋川は「皇居前の像は下から見上げるのですが、私は木に落とし込む訳ですから上からも眺める姿になります、なので馬の尻尾の形状や、顔の目線を上に向く様にしたり、自分なりのエッセンスを入れ込んだ、秋川雅史の、木彫楠公像として作品に仕上げました。また、この作品は一木から掘り出しており、細かい彫刻刀が届かないところなどは特注の彫刻刀を作ってもらったりなど、こだわりにこだわり3年掛かって完成させました」。

最後に、「彫刻家としてはこうして二科展で入選いただきましたが、歌手としての登板は、8日に東京オペラシティで行います。そちらの方も是非お越しください(笑い)」とコメントした。

◆第105回記念「二科展」 

▼会場 国立新美術館 

▼会期 9月1日~13日。(7日は休館日)

▼時間 午前10時~午後6時

▼主催 公益社団法人 二科会