歌手で女優の伊藤蘭(66)が26日、東京・日比谷野外大音楽堂(野音)で、コンサートツアー「Beside you&fun funハートCandies!」の追加公演を行い、キャンディーズ解散宣言以来44年ぶりに野音のステージに立った。

野音は77年7月17日、キャンディーズが「普通の女の子に戻りたい」の名言とともに解散宣言した場所。

この日、伊藤は「『ただいま、野音』。そう言わせてもらってもいいのでしょうか。44年前のあの時から変わらないたたずまいの野音。再び迎え入れてくれました」とあいさつした。さらに「あの時から気の遠くなるような時間がたったというのに、ステージに立ってみるとついこの間のことのよう。不思議な気持ちです。人生にこんなことが起こるんだ。実感があるようなないような、ぼーっとしちゃってる」と感慨深げに語った。

伊藤は19年に歌手活動を再開した。今月、セカンドアルバム「Beside you」も発売した。伊藤は「思い切って歌を再スタートしたことで、新しい課題が見つかったり、音楽が身近にあるワクワク、ドキドキした気持ちがある。新鮮です」と話した。

今回のツアーは、新アルバムの楽曲、キャンディーズのヒット曲などで構成されている。

「春一番」「年下の男の子」「微笑がえし」などキャンディーズ時代の楽曲を披露し、伊藤は「1つ1つの曲に向き合ってみると、当時の空気がにおい立つようによみがえってくる瞬間がある。すぐそばにいたミキさん(藤村美樹さん)、スーさん(田中好子さん)の表情が浮かんできて、ぬくもりがよみがえってくる」と思いをはせた。