昨年11月12日に88歳で亡くなった歌舞伎俳優坂田藤十郎さん(本名・林宏太郎)を「偲ぶ会」が28日、都内ホテルで行われた。

高円宮妃久子殿下をはじめ、小泉純一郎氏、森喜朗氏、福田康夫氏といった歴代首相、元官房長官の青木幹雄氏、元自民党総裁の河野洋平氏、山東昭子参院議長、元日銀総裁の福井俊彦氏、西武ホールディングス社長の後藤高志氏、コシノジュンコ氏、落語家桂米團治、俳優小澤征悦、妹で女優中村玉緒らが来場、献花した。この日午前中には歌舞伎俳優も来場し、計約1000人が故人をしのんだ。

妻扇千景(88)は、報道陣の取材に応じ「芝居のことしか分からない人でしたが、皆さんに愛されました。芝居好きな、芝居の人生でした」と、何度も涙をぬぐい、29日に納骨することとした。

長男中村鴈治郎、次男中村扇雀、鴈治郎の長男中村壱太郎、扇雀の長男中村虎之介も取材に応じた。

法号は妙藝院殿藤久日宏大居士(みょうげいいんでんとうきゅうにちこうだいこじ)。芸道に一心に歩んだ生涯を象徴する「妙藝」、藤十郎の名が久しく人々の記憶に残る「藤久」、日蓮聖人の日に、本名の宏太郎から1文字取った「日宏」などが組み合わされている。