歌手花耶(20)が、来年1月26日にメジャーデビューすることが5日、分かった。歌手一青窈(45)が認めた期待の新星が、このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

今年4月、テレビ東京系「THE★カラオケバトル」に、一青が激推しする“ホーリーボイス”として出演し、その優しい歌声が話題を集めた。一青、マシコタツロウ氏の“ハナミズキコンビ”が作詞作曲した「白馬の王子と薔薇色の私」で、デビューする。

「ずっと夢だった『歌手になる』という夢がかないます。やりたいことをやらせてもらっていて、いつも本当に幸せです。曲を出す、歌手として名前が出るということにまだ実感が湧いていません。不安はあるんですけど、1番はすごく楽しみです」

山梨県南アルプス市で生まれ育った。デビュー曲は、自身の初恋を一青が歌詞にしたためた。

「私が地元にいる時の初恋の話です。恋はかなわなかったんですけど、ずっと長年、片思いをしていた人に対しての思いを、一青さんに歌詞にしていただきました。歌詞は素直でかわいいんですけど、気持ちは強く。『もう、振り向かないよ』という気持ちで歌っています」

夢見ていた歌手デビュー。その楽曲を1番最初に聞いた時、まずタイトルに驚いたという。

「『白馬の王子と薔薇色の私』というタイトルに、すごくビックリしました。歌詞も今まで自分が聞いてきた曲のような歌詞ではなく、それの上をいくというか…。自分の実体験が、一青さんの言葉で歌詞になっていて。それに感動して、自分の初めての歌というのが不思議で、新鮮でうれしかったです」

オーケストラのレコーディングにも、自ら出向いた。次第に自分の楽曲に関わってくれた全ての人への感謝が強くなり、その気持ちを歌詞に乗せて歌えたという。

「初めて聞いた時から大好きだったんですけど、今はもっと好きで。何百回も聞いて歌っているうちに、どんどん好きになって、この曲の沼にはまっていく感じがしています。1番特別な曲になりました」

5歳からピアノを習い、発表会で歌唱している人に憧れを抱き、翌年から歌にも挑戦。すぐに関東大会出場や、賞を総なめし、実力を開花させていったが、周囲や親は歌手には反対だったという。それが今では1番のファンになっている。

「地元の山梨で撮ったミュージックビデオ(MV)を母に送ったら『なんかもう、泣ける』って泣いています(笑い)。もともと『いつまでそんなこと言っているの?』って、全員に反対されていました。でも今は、『ママが1番のファンだから。自分の好きなように、やりたいように頑張って』みたいなことを言って、いつも通勤時とかでも私の歌を流してくれています(笑い)」

今後目指したいライブステージについては、東京・日比谷野外大音楽堂(野音)を挙げた。

「高校2年生くらいの時に、野音に日比谷音楽祭を見に行きました。外で気持ちよさそうで『こういう場所で歌ってみたい』って思ったんです。なので、野音のステージに立つのは憧れです」

透き通ったボイスに加え、どこか色気を感じさせる歌声も魅力だ。自分がつらい時、何度も音楽に助けられてきた。今度は自分が支える番だ。

「聞いてくれた人の心に寄り添いたいです。私は今でも悲しいことがあると、絶対に歌に助けてもらって、救われています。そういう役目を、今度は自分がする人になりたいですし、支えになりたいです。自分を知って欲しいとか、思いを込めた大好きな曲をたくさんの人に聞いてもらいたいって思っているんですけど、それだけじゃなくて、歌を聞いてもらって、ちょっと頑張ろうとか、ちょっとしたエネルギーになれたらうれしいです」【佐藤勝亮】

◆花耶(かや)本名斉藤花耶。2001年(平13)4月26日、山梨県生まれ。5歳でピアノを習い始め、翌年に歌も始める。18年、NHK「のど自慢」山梨県大会チャンピオンをはじめ、複数のコンクールで賞を受賞。好きな女優は石原さとみ。趣味は映画鑑賞、特技は目薬を秒で差すこと。156・5センチ。血液型A。