2010年バンクーバーオリンピック(五輪)ショートトラック女子3000メートルリレー銅メダリストの元米国代表アリソン・ベイバー(41)被告が、新型コロナウイルスの給付金およそ1000万ドルを不正に取得した罪で起訴された。

エンターテインメント・ウイークリー誌によると、不正に得た金は映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどで知られる俳優イライジャ・ウッド(40)主演のスリラー映画「ノー・マン・オブ・ゴッド」(2021年)の製作費に充てていたという。

複数の報道によると、同被告は昨年4月に自身のエンターテインメント会社に400人以上の従業員がおり、月400万ドルの月給を支払っていると主張し、コロナ禍における給与融資の申請を数回行っていたという。しかし、実際にはその会社はペーパーカンパニーで、従業員はおらず、毎月の給与の支払いもなかったとし、ユタ州連邦検察が9件の詐欺容疑でベイバー被告を起訴した。

トリノ五輪にも出場しているベイバー被告は、有罪が確定すれば8件の詐欺容疑で最大30年、マネーロンダリングの罪で最大10年の禁錮刑が言い渡される可能性があるという。「ノー・マン・オブ・ゴッド」は、ウッドの製作会社がプロデュースしており、同被告もプロデューサーの1人として名を連ねていた。

同被告の会社からウッドの製作会社に15万ドルの送金があったとも伝えられているが、現時点でウッドの代理人からコメントは出されていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)