第34回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で新人賞に輝いた女優の駒井蓮(21)が8日、千葉県柏市のキネマ旬報シアターで行われた主演映画「いとみち」(横浜聡子監督)の舞台あいさつに出席し、同作への思いなどを語った。

この日は横浜監督と2人で登壇した。上映中はスクリーン内後方から様子を見守っていたといい、駒井は「また2022年もみなさんと『いとみち』で始められてうれしいです」とあいさつ。同作は地元の青森県が舞台で「自分のことも青森のことも考えながら撮影をしていました。年齢問わず、人が育つ姿が鮮明に生き生きと描かれている作品なので、ぜひいろんな方に広めていただければ」と笑顔で語った。

出演に至るまでの裏話も明かされた。物語の主役となる相馬いとは、なまりの強い津軽弁を話す少し不器用な女の子。横浜監督は「ネーティブの役者がいいなと思っていたところで(駒井の)存在を知って。会ってみたいなと思った」。一方、駒井は芸能界入り前に「いとみち」の同名原作を読んだことがあったといい「将来もし女優になったら(いと役を)やりたいなと思っていました。でも、原作のいとは身長が低い女の子で。私は中学で168センチあったので、勝手に期待して、勝手に諦めていました」。

それでも魅力を感じた横浜監督は起用を決断。駒井は当時の心境について「まさかこんな形で作品と再会するなんて。お話をいただいた時はとても驚きました」と振り返り、横浜監督も「恵まれた体格をうまく使えずに持て余している女の子に変換すればいいかなと思って。なので、大丈夫でした」と語った。

舞台あいさつ後にはサイン会も行い、差し出されたパンフレットや写真などに丁寧にサインやメッセージなどを書き入れた。青森県から訪れた人もおり、駒井は激励の言葉に笑顔で耳を傾けていた。