女優小松菜奈(25)が24日、都内で俳優坂口健太郎(30)とのダブル主演映画「余命10年」(3月4日公開、藤井道人監督)のジャパンプレミアに出席し、涙ながらに作品への思いを語った。

SNSを中心に話題となり、ベストセラーとなった同名小説が原作。小松は20歳で難病を発症し、余命10年となった高林茉莉(まつり)役を演じる。四季の移り変わりを表現するため、20年夏から約1年かけて撮影した大作。小松は冒頭あいさつで「この企画のお話を頂いてから、本当にいろんな物語があって」と声を詰まらせ「こうして完成できたこと、今ここに立っていることを本当にうれしく思いますし、感無量というか、本当にみんなで前を向いて生き続けたこの1年、映画『余命10年』がこれから沢山の人に届いてほしいと心から願っています。この日を迎えられてとても幸せです」と涙をぬぐいながら語った。

撮影中は徐々に弱っていく役柄に合わせて減量も敢行。「撮影中も自分で持ってきたものを食べていました。うなぎの差し入れとかいいなあとか、おいしそうだなあとか思っていましたね」と振り返った。撮影中におなかが鳴ることもしばしばあったというが「苦しさとかいっぱいいっぱいになっちゃう気持ちとか、減量して自分の身に味わえて、役として消化することができました」と前向きに語った。このエピソードを聞き、共に登壇していた茉莉の母親役を演じた原日出子(62)はもらい泣き。小松へ「終わったらおいしいもの食べに行こうねって言いながら頑張ったね」と声をかけていた。

そんな身を粉にした長期間におよぶ撮影を演じ終えたあとは「抜け殻状態だった」とも語った。「燃え尽きたというか、すぐに次の仕事に進めないくらい。今までにそういう役はなかったので。すごく大好きな現場でしたし、すごく大切な作品を作れました」。映画にちなみこの先10年でやりたいことを聞かれると「日本一周」と答え「世界一周と迷いましたが、まずは日本を知ることから始めたいなと思って。そこで会う人だったりとか、いろんな話をいろんな人に聞きたいですし、海外の人にも紹介できるような、いろんないいところを見ていきたいと思って日本一周にしました」と話した。

小松にとっては昨年11月に俳優菅田将暉(28)との結婚発表後、初の公の場となったが、結婚については語らなかった。ジャパンプレミアには坂口、山田裕貴(31)、奈緒(26)、黒木華(31)、松重豊(59)、藤井道人監督(35)も登壇した。