主演男優賞は「ドリームプラン」の米俳優ウィル・スミス(53)が受賞した。

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スミスは、ビーナスとセリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育て上げた実父リチャードを演じたことを踏まえ「ありがとうございます。何ていうことなんでしょう。リチャード・ウィリアムズは、とにかく強く、家族を守った男です。人生の今の時期…この瞬間、私は圧倒されています。神様が私に求めていることに、圧倒されています」と涙ながらにスピーチした。

授賞式発表前には、壇上で妻のジェイダ・ピンケット・スミス(50)を侮辱した、長編ドキュメンタリー賞のプレゼンターのコメディアン・クリス・ロック(57)にビンタを張る、アカデミー賞史上でも前代未聞のハプニングを引き起こした。そのことを踏まえたのか「人生の中で、人々を愛さなければ、守らなければならない。そして人々にとって、川のような存在にならないとならない。虐待されたり、自分の悪口を言われたり、軽蔑されることに慣れ、構わないとニコニコしなければいけない」と口にした。その上で「マクベス」に主演し、主演男優賞を争っていたデンゼル・ワシントン(67)から「最高の瞬間でも、悪魔の誘惑に負けるなと言われた」とアドバイスを受けていたことを明かした。

そして「自分は愛情の船のような存在になりたい。ウィリアムズ一家に感謝したい。自分たちのストーリーを私に任せてくれた。彼らの愛情を伝える大使になりたい」と語った。その上で「アカデミー、他の候補者に謝罪しなければいけない。美しい瞬間です。私は、受賞したので涙を流しているのではありません。人々に光をさすことが出来てうれしい」と語った。

さらに「私は、クレージーな父親リチャードのように振る舞った。愛情によって、クレージーな行動に出るものです。母親、家族、妻に対しても愛情を示すことが出来るが、時間を取りすぎている」と、ビンタ騒動への謝罪とも取れる発言も。最後には「アカデミー賞の皆さん、再び招待してください」と笑みを浮かべた。