10カ月ぶりの新曲は、まさに巡り合わせだった。歌手の葵かを里が19日、大阪市北区の日刊スポーツを訪れ、新曲「諏訪の御神(おみ)渡り」(3月16日から発売中)をPRした。諏訪湖の「御神渡り」、日本三大奇祭のひとつとされ7年に一度執り行われる神事「御柱祭」で有名な信州諏訪地方を舞台にした切ない恋模様を描いた作品だ。

実は、上京して最初にゲストに呼んでくれたところが諏訪地方だったという。デビューして来月で18年目。今回新曲を作る際、作詞家の麻こよみに「今まで行ったことある所にしましょう」と提案されて答えたのが「長野」。すると「だったら諏訪湖の御神渡りの良い題材がありますよ」と言われ、20年以上前の縁がよみがえり「自分の原点のところを歌わせてもらえる、絶対にこれでいきたい」とこの曲が出来上がった。

撮影では「身体を張った」場面もあった。桟橋でドローンを使用した際には、強風で安定するのに20分以上その場で待ったが、季節は真冬。着物の下に18個のカイロを身につけるも、まさに歌詞にある「凍り付く」思いをして立っていた。だが、諏訪大社本宮での四隅に柱を立て替える時期の撮影には「神がかってるタイミング、良い導きがあった」と感激していた。

また、カップリングとしては自身の作曲家名「茶野香」として2曲目となる「人情酒場」も収録。デビュー曲とは全くテーマが異なり、日常が思い浮かび「語りかけるような、癒やされるような雰囲気で作った」作品となった。

9月下旬には、長野県にて発売を記念してのカラオケ大会も開催予定となっている。