米俳優トム・クルーズ(59)主演で1986年に公開された米映画「トップガン」の原作者遺族が6日、先月末に公開され世界的大ヒットとなっている続編「トップガン マーヴェリック」を巡って著作を侵害しているとしてパラマウント・ピクチャーズを相手に訴えを起こした。

「トップガン」は、1986年に米海軍訓練基地の戦闘機パイロットについて故エフド・ヨネイ氏が雑誌向けに執筆した記事が原案となっており、記事が発行された直後にパラマウントが映画化権を取得していた。原告はイスラエルに在住するヨネイ氏の妻と息子で、作品による利益などの損害賠償のほか、公開中の続編と共にさらなる続編の配給も中止するよう求めている。

米ロサンゼルスの連邦地裁に提出された訴状によると、パラマウントは2020年1月に著作権終了を迎えたが、続編公開に当たって新たに権利を取得していなかったという。原告によると著作権が有効期限を迎えることは2018年に通達済みだったといい、パラマウントは権利がないことを知りながら続編の制作を続けたと主張している。損害賠償金額は明らかにされていない。一方のパラマウントは、「訴えには根拠がない」として全面的に争う姿勢を示している。

公開から10日間で北米で2億9100万ドル、全世界で5億4860万ドルの興行を記録し、今年最大のヒット作となっている「トップガン マーヴェリック」は、当初は2019年夏に公開される予定だったが、公開が1年延びた後は、コロナ禍で幾度となく公開が延期されて、3年越しでようやく劇場公開にこぎつけたばかりだった。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)