米俳優ブラッド・ピット(58)が、GQ誌のインタビューで引退を考えていることや人の顔を覚えられない失顔症(相貌失認)に悩まされていることなどを明かした。映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(2019年)でアカデミー賞助演男優賞に輝き、今夏には伊坂幸太郎氏のベストセラー小説を映画化した 「ブレット・トレイン」の公開を控えているピットは、自身のキャリアを学校に例えて「最終学期」と表現し、この最終コーナーをどのようにしたいのか、そして(引退を)どのように設計したいのか考えていると明かした。

ピットは過去にも50歳の節目となる時期の引退を示唆したこともあるが、当時は引退の期限を設けているわけではないとその後50歳引退説を否定していた。近年は自身の制作会社プランBを通じてアカデミー賞作品賞に輝いた「ムーンライト」(16年)や「それでも夜は明ける」(13年)など多くの作品を手がけ、プロデューサーとしても活躍している。俳優としては今後もダミアン・チャゼル監督の新作「Babylon」の公開を控えており、今回も具体的な引退時期などは明言していない。

また、2013年のインタビューで失顔症の可能性を示唆していたピットは、「誰も信じてくれないけど、人の顔を思い出したいと思っているが、思い出せない時は恥ずかしく感じている」とコメント。「顔を覚えることができないことで相手に軽蔑していると思われ、多くの人が私を嫌っている」と人間関係にも影響を及ぼしていることを明かしているが、これまで正式に医師から失顔症であると診断されたことはないという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)