東映は4日「劇場公開作品の盗撮行為及びアップロードについて」との文書を発表し、公開中のアニメ映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(児玉徹郎監督)の本編を盗撮し、アップロードしたと思われる映像がインターネット上において多数発見されていることを明らかにした。その上で「当社はこのような行為に対して、法的措置も辞さず厳然とした姿勢にて対処していく所存であり、今回の盗撮被害についても、既に当社顧問弁護士事務所と協議し、また捜査機関とも連携をとりながら刑事、民事両面での事件化を視野に入れて、対応を進めております」と注意を喚起した。

関係者によると、公開初日の6月11日からの10日間で、違法アップロードは約3000件もあり、ブロック、削除したという。全世界興収135億円を記録した18年の前作「ドラゴンボール超 ブロリー」は、公開1週間で370件程度、削除した履歴が残っており、比較すると、今回の被害は約10倍に上るという。

文書の全文は、以下の通り。

「劇場での『NO MORE 映画泥棒』の映像等での啓蒙活動によって、映画館等での映画の盗撮行為は『映画の盗撮の防止に関する法律』(映画盗撮防止法)に反する犯罪行為であり、盗撮した映画本編や予告編等をYouTubeやTwitter、Facebook等にアップロードする行為が著作権侵害になることは広く認知されていることと存じます。しかしながら、大変遺憾なことに、現在公開中の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』本編を盗撮し、アップロードしたと思われる映像がインターネット上において多数発見されるという事態が発生いたしました」

「この行為は、映画盗撮防止法および著作権法に反する侵害行為として、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられる重罰の可能性があります。当社はこのような行為に対して、法的措置も辞さず厳然とした姿勢にて対処していく所存であり、今回の盗撮被害についても、既に当社顧問弁護士事務所と協議し、また捜査機関とも連携をとりながら刑事、民事両面での事件化を視野に入れて、対応を進めております。また、劇場での監視や不正アップロード映像削除申請などの対応は常に行っており、今後も警戒を強化して参ります。くれぐれも、このような犯罪行為及びその利用には、関わられることのなきよう、改めてご注意の喚起を申し上げる次第でございます。東映株式会社」

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」は、かつて孫悟空(声=野沢雅子)により壊滅した悪の組織レッドリボン軍の意志を継いだ者たちが、新たに最強の人造人間ガンマ1号(同=神谷浩史)2号(同=宮野真守)を生みだした。そのガンマ1、2号が、自らを「スーパーヒーロー」と名乗り、ピッコロ(同=古川登志夫)と悟空の息子・悟飯(同=野沢雅子)らを襲い始める物語。

興行収入は4日時点で約20億円だという。