“やればできる”ことを証明する。お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行(29)が19日、都内で行われた野球の独立リーグBC・栃木への入団会見に出席。今季終了後までの契約で投手として加入し、背番号16を背負うことなどが発表された。芸人活動の傍ら大河ドラマなどにも出演する売れっ子だが、夢に掲げていたプロ野球選手との二刀流を決断。周囲を激励する芸風でブレークした男が、今度は魂の投球でファンにエールを送る。
◇ ◇ ◇
喜びをかみしめるように高岸が何度も叫んだ。学生時代に1度は諦めたプロ野球選手の門を芸人との二刀流でたたく。戦力として見込んだ栃木から6月にトライアウト参加を打診され、見事合格して加入が実現した。契約は今季終了後まで。年俸等は未発表だが、関係者によるとリーグ平均月収といわれる12~15万円とほぼ同水準の金額が支払われるという。高岸は「何歳からでも遅いことはない、挑戦すること自体が楽しいということをお伝えできれば」と意気込み、「みんななら『やればできる!』」と母校・済美高校(愛媛)の校訓でもあるキャッチフレーズを響かせた。
高校時代から恵まれた体格から投げる150キロ近い速球と打力でプロのスカウトも注目する逸材だった。プロを夢見て進んだ東洋大でも野球を続けたが、けがで断念。それでも情熱は絶やさず芸人転身後もプロ野球の始球式で芸能人最速142キロをマークするなどして話題となった。トライアウトでは現役選手相手に直球で押し込み、130キロ台のフォークで三振も奪った。元巨人の寺内崇幸監督、ロッテなどで活躍した成瀬善久投手兼投手総合コーチも「伸びしろしかない」とうなり、合格を即決した。
20年10月4日、プロ野球ヤクルト-広島戦(神宮)。済美の同期で相方の前田裕太とバッテリーを組んで初めて始球式を務めた際は、憧れの舞台での大役に感極まって号泣したこともあった。そんな前田も夢を追いかける自身の背中を押してくれたと明かし「相方でもあり、親友。前田のためにも頑張っていきたい」と語った。
テレビやラジオのレギュラーのほか、今年はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも出演。さらに多忙となるが「練習も仕事ももちろん100%でやっていきたい。軸足は全てです!!」と勢いよく言い切った。起用法については先発や中継ぎなど「全部やりたい」と希望。あらためて人生の目的は「応援」だと語り「得意球はエール球。皆さんに元気を与えることに命をかけています」。初練習は25日を予定。野球人としても“できる”姿を示し、高岸がさらなる高みを目指す。【松尾幸之介】
◆高岸宏行(たかぎし・ひろゆき)1992年(平4)10月8日、愛媛県出身。高校野球部の同期だった前田裕太と15年にコンビ、ティモンディを結成。ボケ担当。20年2月には主に野球に関連した動画をあげるYouTubeチャンネル「ティモンディチャンネル」を開設。愛媛かんきつ部キャプテンも務める。188センチ、90キロ。血液型A。



