シンガー・ソングライター吉田拓郎(76)が20日、5年ぶりに復活したフジテレビの音楽バラエティー番組「LOVE LOVE あいしてる 最終回・吉田拓郎卒業SP」に出演した。番組を共にしてきたKinKi Kids堂本光一(43)堂本剛(43)らに加え、明石家さんま(67)木村拓哉(49)ら豪華なゲストにも見守られる形で最後のテレビ出演をし、ラスト歌唱を見せた。

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先月29日発売のアルバムをもって「52年のアーティスト活動にピリオドを打つ」ことを表明している拓郎。関係者によると、年内いっぱいのラジオ以外、ライブをはじめ、メディア出演の予定はなく、一線を退く意向を示している。

今回のアルバムでは、70年のデビュー同期で、盟友の小田和正(74)が「雪さよなら」にコーラスなどで参加した。これまでチャリティーライブでの共演や、13年には小田がホスト役のTBS系音楽特番「クリスマスの約束」で共演したことはあったが、2人での楽曲制作は初めて。

年齢は拓郎が1つ上だが、小田はライブのMCでも「拓郎からメールが来まして…」とスイーツに関してなどたわいのない話をしたことを明かすなど、付かず離れずの独特な距離感を保ちつつお互いをリスペクトし合っていた。そんな小田との最初で最後の“共同作業”。シャイな男同士、「ラスト」ということを口に出し合ったり、意思表示していたかは定かではないが、拓郎の「ラスト」に懸ける強い思いは感じられる。

拓郎にとって、ピリオドを打つ「アーティスト活動」がどこまでを指すのかは、本人のみぞ知る。表舞台に立って歌う姿を見せることはない可能性が高いが、いつかどこかで拓郎の音楽が、何かしらの形で新たに出てきて欲しい…。そう願うファンも少なくないはず。それだけ、吉田拓郎と音楽は切っても切れない関係だろう。【大友陽平】