前橋市出身のコピーライター糸井重里氏(73)が3日、都内で、エグゼクティブプロデューサーを務める「前橋BOOK FES 2022」(10月29、30日)開催発表会に出席した。

本のトレードを中心に、食、音楽、アートなどを体験できるブックフェス。参加者が本を持ち寄り、その思い出や記憶を語り合う場になることを期待しており、糸井氏は「本がコミュニケーションのツールになるのではないか。本という触媒でこんなことができるんだと、1つの地方都市のパターンになるのでは」と話した。

構想は約20年前からあったが、今年初開催となる。糸井氏は未知数のフェスを立ち上げることについて「正直怖いです。3人しか来ないことも、整理がつかなくなることも想像できる」と本音も。また「絶対失敗します。でもそれをやらないと次ができない。1回失敗の中に飛び込んでみたい」と意気込みを語った。

イベントのサポーターを務めるシンガー・ソングライターつじあやの(44)、イラストレーターみうらじゅん(64)も出席した。みうらは、古書店でのこだわりについて「自分の古本を見つけたら自分で買うようにしている」とトークを展開。古本ならではの出会いも振り返り「推理小説を買った時、1ページ目をめくったら『犯人はホテルのメイド』と書いてあった。がぜんやる気がなくなったけど、本当かな? と。普段本を読み切らないけど、それは読み切りました」と話した。その結果「犯人はホテルのメイドじゃなかった」と笑いを誘い、「読み切れるまでいったから、最高な言葉だったんです」と感慨深げに語った。糸井氏はみうらの一例に、「こんな話をする本の集いって、今までなかったと思う」と笑いつつPRしていた。

ブックフェスは、前橋市の街中エリア(中央通り、弁天通り、けやき通りなど)で開催される。

エグゼクティブディレクターを務めるJINSホールディングス田中仁社長、実行委員長の山本龍前橋市長も登壇した。