「秀山祭九月大歌舞伎」が4日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた。昨年11月に77歳で亡くなった歌舞伎俳優中村吉右衛門さんの一周忌追善公演として行われ、吉右衛門さんゆかりの演目「松浦の太鼓」を兄、松本白鸚が演じた。

弟のために80歳にして初役に挑んだ白鸚は、口上で「苦労に苦労を重ねて芸を後世に伝えた弟を、兄として誠に誇りに思うと同時に、たった1人の弟でございますゆえ、(失って)悲しく、わびしい」。舞台では「助太刀じゃー」と馬にまたがるなど元気な演技をみせた。