デーモン閣下率いるヘビーメタルバンド、聖飢魔IIが15日、東京・代々木第一体育館で、期間再延長再集結「35++執念の大黒ミサツアーFINAL」追加公演を行った。

コロナ禍による2年遅れの35周年記念ライブツアーで、昨年10月の千葉・松戸公演を皮切りに15公演で約5万人を動員。「創世紀」が始まると棺おけの中から閣下が登場。「この日が来てほしいような、来てほしくないような気分だろ、お前たち。まぁ楽しめ! 今日はお前らを殺しにかかるからな!」と約1万人の“信者”を熱狂させた。

代表曲「蝋人形の館」では「お前も蝋人形にしてやろうか~!」と名フレーズを絶叫。その後の「DEAD SYMPHONY」では、閣下が3点倒立をして、地球をひっくり返したかの様に歌唱する、伝説の「天地逆転唄法(てんちぎゃくてんしょうほう)」を披露。同ツアーで7年ぶりに復活させ、15会場全てで見せている定番パフォーマンスに、場内はさらにヒートアップした。

休憩明けには、携帯電話のライト点灯を1曲だけ許可。約1万個のライトが揺れる中、「WHAT’S HAPPENING?」をしっとりと歌い上げた。そして、ラスト前の「BRAND NEW SONG」を歌い終えると、閣下は静かに語り始めた。あるインタビューでの回想シーンだった。

「(再集結から)足かけ4年の話をしている時に、ボロッと『バンドを解散する理由は今ないんでね』って言ってしまった。4年間も活動していると、もう立派なバンドになって、家族みたいになって。その後、構成員(メンバー)、スタッフと会議をしていると、思わずわが輩はポロッと『40周年もう再来年なんだけど、どうする? 再来年ということはもう準備始めないといけない』」と言うと、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。

さらに「珍しくわが輩から再集結のことを言い始めた。まだ正式な回答は各構成員からもらっていないが。しかし、諸君。笑っている場合ではない。約束はできない。なぜならば、我々構成員、一連の活動で、みんなそれぞれちょっとずつ問題を抱えている。要するに、体に。ただ、同じ形で再集結するかどうかは分からない。違う形かもしれないけれども」と言うと、一気に語気を強め「きっと再集結するでしょ、40周年!」と言った瞬間、会場のボルテージは最高潮に達し、拍手が鳴りやまなかった。

閣下は「始まれば終わる。残酷でつらいが、始まらなければ、この楽しさもなかったと受け入れなければならない。だから今日は今日で最後。今日の大黒ミサのために、この最後の曲を地獄より愛を込めて贈りたい。一緒に行くなら退路などない。早くいけ! THIS IS A『LOVE LETTER FROM A DEAD END』」と言うと、ステージからは複数の炎が燃え上がった。

全18曲、最後の曲を歌い終えると、5人のメンバーは中央の観客部分にせり出しているステージまで歩き、万歳で締めくくった。最後は万雷の拍手の中、ステージ後方のブラックホールに1人ずつ吸い込まれていった。

【セットリスト】

(0)~SE~ゴジラ

(1)創世紀

(2)EL.DORADO

(3)RATSBANE

(4)Run Run Run!

(5)Good Night Melodies(Syuto solo)

(6)BAD AGAIN

(7)鬼

(8)魔界舞曲

(9)RENDEZVOUS 60 MICRON’S

(10)嵐の予感

(11)呪いのシャ・ナ・ナ・ナ

(12)STORMY NIGHT~■(■は鼠の臼が巛と因の大がメを縦に並べる、左に虫)人形の館~DEAD SYMPHONY

(13)WHAT’S HAPPENING?

(14)地獄の皇太子

(15)WINNER!

(16)永遠の詩-A Song Of Deceased-

(17)BRAND NEW SONG

(18)LOVE LETTER FROM A DEAD END