コーラスポップユニット「SANISAI」メンバーで、ベーシストの有賀啓雄(ありが・のぶお)さんが、2月27日に亡くなったことが5日までに明らかになった。58歳だった。

4日、有賀さんのツイッターで、妻の千佳子さんが文書を発表。「昨年の夏に前立腺がん末期と診断されてから、毎日復活を目指して自宅で治療、リハビリに専念しておりました。身体の衰弱のため復活はかないませんでしたが、最後はとても穏やかに旅立ちました」と明かした。葬儀も、3日までに家族葬で執り行ったという。

千佳子さんは「今もきっとベースを弾いて歌っていると思います。深い愛とおも思いやりにあふれる主人の演奏と音楽作品が心から大好きです。有賀啓雄の作品をこれからも大事にしていきたいと思います。皆さまに心から感謝いたします」とつづった。

同ユニットのサイトでも訃報が発表された。「2007年のメジャーデビュー以降、ずっとサウンドプロデューサーとして、SANISAIサウンドを共に創り続け、2020年から正式メンバーとして加入し、活動してまいりました。そんな折、世界中を新型コロナウイルスが蔓延し、思うようにライブ活動のできない日々が続くなかでも、常々4人になったSANISAIの新たな可能性を追求し、情熱を持って多くのアイデアを出し合いながら、未来に期待を抱き活動してまいりました」。

バンドでのラストステージは、昨年5月の京都梅小路公園でのイベントだったという。「この日も体調不良をおしての出演でしたが、多くの方々にお越しいただき、4人で音を奏でる喜びに満ちたステージでした。この出会いがなければ、僕ら3人はとっくに音楽をやめていたと思います。音楽的にはもちろんですが、本当にたくさんの愛と希望を与えてくれました。これからもSANISAIの中に、有賀は永遠に生き続けます。まだまだ実感がなくて、受け入れるには時間がかかると思いますが、残された僕ら3人はこれまで与えてもらったすべてを、これからの活動の糧にし、新たなSANISAIサウンドの追求に勤しんでまいりたいと思います」とした。

有賀さんは、藤井フミヤや渡辺美里らの楽曲提供をはじめ、ベーシストとして、小田和正のツアーに長年帯同するなど、広く音楽界で活躍。有賀さんは先月3日に、ツイッターで「私は去年から体調を崩し検査の結果前立腺癌ステージ4と診断されました 現在歩行できずライブ関連含め全て仕事がストップしております ですが色々な先生との出会いがあり 癌は無くなりました」「まだ立ち上がる事が出来ないのですが まず近日中にベッドから起き上がり腰掛けらようになりそうです 快復進んでます頑張ります また報告します」などとつづっていた。