英王室のチャールズ国王の弟アンドルー王子(63)が、甥のヘンリー王子(38)に続いて暴露本の執筆を検討していると英デイリー・メール紙が報じた。アンドルー王子は現在、米国人作家と回顧録の執筆について話し合いを行っており、ヘンリー王子の暴露本にちなみタイトルは「スペア2.0」になると伝えている。実現すれば5月6日に戴冠式を控える国王にとって大きなダメージになることは避けられず、カミラ王妃の友人は英グッドモーニング・ブリテンで「タイタニック以来の最悪の発想」と述べている。

ヘンリー王子は1月に、国王や兄のウィリアム皇太子を批判する回顧録「スペア」を出版し、物議を醸している。

アンドルー王子は昨年、未成年の少女への性的暴行を巡って米国人女性から民事訴訟を起こされ、児童買春の罪で有罪判決を受け、拘留中に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン被告との親交がメディアを賑わせた。疑惑を一貫して否定しているが、1200万ドルとも言われる和解金を支払ったことで国民の怒りを買った。疑惑を巡り、軍の名誉職や王室の称号を返上して王室の地位を失った王子は、自身の評判を回復するため自伝の執筆を模索しているという。

回顧録では、エプスタイン被告との関係や疑惑について自らの言葉で明かすことになると見られているが、昨年9月に死去したエリザベス女王の遺産を一切受け取れないことに不満を漏らしていることが取り沙汰されていることなどから、王室の内幕も暴露する可能性もある。アンドルー王子は、国王が進める王室のスリム化によって4月から王室から受け取る手当が大幅に削減されるため、現在の住まいであるロイヤル・ロッジの維持費が払えず、退去を求められている。金銭的な問題から、王室を離脱して自伝やネットフィリックスの番組などで大金を稼ぐヘンリー王子夫妻を参考に、自活する方法を模索中だと伝えられている。

すでに大手出版社2社が出版に興味を示しているとも言われており、今後の動きが注目される。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)