歌手の宇崎竜童(77)が14日、東京国際フォーラムで、コンサート「風のオマージュ 2023」を開催した。

昨年開催のコンサートの再演で、妻で作詞家の阿木燿子(77)がプロデュース。往年のヒット曲などを熱唱して、再演も大いに盛り上げた。

2部構成で行われ、1部では宇崎が親交が深かった故人らへのレクイエムを集めた。亡くなった後に松田優作さんを思って作曲した「1989・レクイエム」、津川雅彦さん演出舞台「明治一代女」の主題歌「吹雪絶唱」などなど。歌唱前には宇崎と故人とのエピソードを阿木がナレーションし、曲ごとの世界観を表現した。1曲歌い終わる度に、宇崎は天に向かって指を差して敬礼。「『来てるよな』っていう気分なんです。この会場のどこかに」。1曲1曲、情感たっぷりに歌い上げた。

2部に入ってこの日最初のMCが始まると「去年は40センチ小腸を取られまして、2週間後にここと同じ場所でやらせていただきました」と昨年のコンサートを振り返った。昨年、腹痛で病院に行った際に手術が必要だと医師に言われ、コンサート2週間前に緊急手術を実施。腹部を12センチ切り、小腸を40センチ切っていた。

その経緯を昨年のコンサート中に突如発表しており「ああいうことは言わないでくれっていうメールが来たりして。言わないでいいのに言ってご心配おかけしました。今年はピンピンしています。体力づくりのためにジムにも通いました」と反省しつつも、元気な姿を見せてファンを安心させた。

10月11日に東京国際フォーラムで、デビュー50周年コンサートを開催することを発表した。「今年は50周年なんですね。2カ月前の2月には77歳になりました。こんな歳になるまでステージに立てるなんて思いもしなかったですね」としみじみ。そして「これが終わったら、また選曲しないといけない。ピンピンしております。大丈夫です。この後も続けていきます」と半年後に開催するメモリアルコンサートをしっかりと見据えた。

アンコール後には宇崎が呼んで、阿木もステージに登場した。夫婦の共演に、ファンから拍手喝采。阿木は「2部の後半ぐらいから、もう終わっちゃうのかと思って胸がいっぱいになりました。でも、また50周年の記念コンサートをここでやりますので、また皆さんにお会いできるんだなという気持ちを持ちました。心の底からありがとうございました」と感謝の言葉を並べた。【佐々木隆史】