倍賞千恵子(81)が26日(日本時間27日)イタリア・ウディネで開催された世界最大のアジア映画祭、第25回ウディネ・ファーイースト映画祭で、ゴールデン・マルベリー賞(生涯功労賞)を授与された。日本人の授与は、15年の音楽家・久石譲氏(72)16年の映画監督・大林宜彦さん、22年の北野武監督(76)に続くもので、日本人女優としては倍賞が初の栄誉に輝いた。

倍賞は授賞式のスピーチで「私が60年ちょっと映画に携わってきたことを、遠くの国の皆さんが見ていてくださったことが、何よりもうれしかったです」と授与を喜んだ。そして「ウディネ・ファーイースト映画祭は25周年。私の歳を超えるまで、ずっと続けてくださいね。皆さん、本当にありがとうございました!!」と感謝を口にした。

現地では、倍賞が日刊スポーツ映画大賞など22年度の国内の主演女優賞を複数、受賞した主演映画「PLAN 75」(早川千絵監督)が上映された。さらに、倍賞が同映画祭の観客のために自ら選んだ、1969年(昭44)に公開された「男はつらいよ」シリーズの1作目「男はつらいよ」(山田洋次監督)と、70年の「家族」(同)も特別上映された。上映にも立ち会った倍賞は、多くの観客に囲まれ、サインを頼まれる一幕も。「PLAN 75」の上映後にはスタンディングオベーションが起こり、倍賞と早川千絵監督(46)は満面の笑みを浮かべた。

倍賞は、授賞式の檀上で感謝の気持ちを込めて「PLAN 75」の劇中で歌った「林檎の樹の下で」を披露。会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれ、感動で涙する観客もいた。