東山紀之(56)が21日、MCを務めるテレビ朝日系「サンデーLIVE!!」(日曜午前5時50分)に生出演し、ジャニーズ事務所ジャニー喜多川前社長(19年死去)の性加害問題に言及した。

同事務所の“長男”が所属タレントとして初めて問題に触れ、「ジャニーズという名前を存続させるべきなのか」などと厳しい表情で語った。

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藤島ジュリー景子社長が事務所HPで動画と文書を公開する形で見解を公表、謝罪してから1週間。東山が所属タレントとして初めてこの問題に触れた。東山は「最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩たちには極力待ってもらいました。彼らの心遣いに感謝します」と切り出した。元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)や橋田康さん(37)らの、ジャニー氏から性被害を受けたとする訴えを「勇気ある告白は、真摯(しんし)に受け止めねばなりません。実際に被害を訴えられていることは切実で、残念でなりません。未成年に与えた心の傷、人生への影響は計り知れません」と推し量った。

事務所による再発防止策は提示されたが、「我々もどのような未来を迎えるべきなのか、現在在籍しているタレントはどうすべきなのか、告発された皆さんにどう対処すべきなのか」。また「そもそも、ジャニーズという名前を存続させるべきなのかを含め、外部の方とともに全てを新しくし、透明性をもってこの問題に取り組んでいかなければならない」と会社としてのあり方にも踏み込んだ。

最後は「心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした。今後は今いる皆とともに、安心して応援していただけるよう、一丸となって全力を尽くして参ります」と頭を下げて謝罪。そして「しっかり道しるべを作って、これを第1歩としていきます」と述べた。

東山は1979年にジャニーズ事務所入り。82年に錦織一清、植草克秀と少年隊を結成し、一貫して所属してきた。2021年に近藤真彦が同事務所退所して以降は、所属タレントとして最年長になっている。

<ジャニー喜多川前社長の性加害問題この1週間の経過>

▼5月14日 ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が問題についての謝罪動画と一問一答形式で質問に回答した文書を公開。

▼同16日 立憲民主党が問題についての関係者の声を聞く「性加害・児童虐待ヒアリング」を国会内で開き、性被害を受けたと実名告白した元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)と橋田康さん(37)が出席。

▼同17日 斎藤健法相が衆院法務委員会で問題について「大臣としての所見は差し控えるが、一般論として性犯罪は悪質重大な犯罪で、厳正に対処すべきだ」と発言。松野博一官房長官が記者会見で「個々の事案へのコメントは控えるが、子どもたちの人権を守ることは極めて重要だ」とし、政府として案件ごとに適切に対応するとも語った。

▼同日 カウアン・オカモトさんがツイッターでパニック障害再発による休養を発表。

▼同日 NHK「クローズアップ現代」が問題を特集。

▼同19日 かつてジャニーズ事務所に所属していた歌手近藤真彦が「知ってた、知らないかではなく、知っているでしょ」「うそはなしに、正々堂々と話をしてもらえれば」などと発言。

◆16日の立憲民主党によるヒアリングVTR オカモトさんは、2016年にジャニーズ事務所を退所するまで、ホテルなどでジャニー氏から性的被害を受けたとした上で「芸能界に限らず、未成年者より立場が上の人に何かを要求されたら拒むのは難しい。僕たちの声を聞いてくれ、法律が改正されることを強く望みます」とし、児童虐待防止法の改正を要請した。橋田さんは13歳の時に同様の性的被害を受けたと告白。「合計2回ほどですが、自分には大きなことだった。13、14歳の時にそういう被害にあわないよう、まっすぐにエンターテインメントの世界を走れるような場をつくり、子どもたちを守れるのは大人だ」と、同様に法改正を求めた。