北野武監督(76)6年ぶりの新作映画「首」(今秋公開)が23日(日本時間24日)フランスで開催中のカンヌ映画祭でプレミア上映された。上映後、取材に応じた西島秀俊(52)は「僕も、何度か映画祭で上映に立ち会っていますけど…今までの中で一番、何か、素晴らしい上映だったなと感動しています」と、喜びと興奮をかみしめた。

西島は劇中で、明智光秀を演じた。これまで、2002年(平14)にベネチア映画祭(イタリア)コンペティション部門に出品された、北野監督作品「Dolls」に出演し、同映画祭に参加。16年には、主演映画「クリーピー 偽りの隣人」(黒沢清監督)がベルリナーレ・スペシャル部門に出品された、ベルリン映画祭(ドイツ)に参加。22年には、主演映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)が国際長編映画賞を獲得した、米アカデミー賞の授賞式も経験したが、ベネチア、ベルリンと並ぶ世界3大映画祭の中で、カンヌ映画祭は今回、初参加だった。

西島は、観客と一緒に見た上映を振り返り「とにかく観客の皆さんが、ものすごく集中して、それで、やっぱり本当に面白いシーンは全部、笑って、最後まで見ていた。本当に胸がいっぱいです。感動しました。ありがとうございます」と熱っぽく語った。4月にはロバート・デ・ニーロ、ウィル・スミスら世界的な俳優が所属する、米国の大手エージェンシーCAAと契約したことが全米で報じられ、世界で注目が高まる西島だが、北野監督の新作で初体験したカンヌ映画祭の熱気、感動は格別のようだ。

西島と同じくカンヌ映画祭に初参加した、農民の難波茂助役の中村獅童(50)は「僕が、もう…こうして連れてきていただいて、監督に感謝しています」と、興奮を抑えきれない様子だった。上映を振り返り「フランスの方(観客)が、ああやって役者がアドリブでやったようなところでも、すごく笑いが起きていた。思った以上に笑いが起きていたから、ビックリしたと同時に、すごくうれしかったです」と感激した。

同じく初参加の、秀吉の弟・秀長役の大森南朋(51)も「いや、もう、本当にカンヌは初めて来させていただきましたけど、熱狂というか熱気に感動しました」と興奮を隠せなかった。「映画自体も、アドリブのところが受けなかったらと思って心配していたんですけど、しっかり受けていてホッとしながら見ていました」と上映を振り返り、感無量の様子だった。