市川猿之助容疑者の再逮捕を受け、企画、総合演出を務め出演もするスーパー歌舞伎セカンド「鬼滅の刃」(24年2~3月、東京・新橋演舞場)は上演されない方向であることが18日、分かった。松竹社内で先週半ばに協議が行われ、方向性が示された。今後は、代替公演に向けた調整が進められていくとみられる。

スーパー歌舞伎は、猿之助の伯父で市川猿翁(3代目猿之助=83)が86年に立ち上げた。分かりやすい現代風のせりふや、宙乗りなど見ごたえのある演出で人気を博した。猿之助容疑者は、スーパー歌舞伎の精神を引き継いだスーパー歌舞伎セカンドを立ち上げ、これまで「ワンピース」などを上演している。

スーパー歌舞伎セカンドで猿之助容疑者は、若手俳優らを起用し引き上げてきたが、演出プランは同容疑者が一手に担っていた。澤瀉屋にも、演出から出演まですべてを担える存在がいないのが現状だ。

代替公演を打つ場合、2カ月間連続して同じ演目を上演するのか、1カ月ごとに違う公演にするのかということになる。1カ月ごとの公演が現実的だが、出演役者の手配も必要になってくる。

関係者は「開幕半年前の段階で『鬼滅の刃』上演はなし、という判断を下さざるを得なかったのではないか」と、事情を説明した。

松竹に同公演の上演可否について問い合わせると「公演の詳細につきましても、現時点では公表できることがございません。お知らせできることが決まりましたら随時発表してまいります」と回答した。

「鬼滅の刃」上演は昨年10月に発表され、猿之助容疑者のほか、市川染五郎、市川團子、松本幸四郎の出演が発表されていた。