ジャニーズJr.内グループ「美 少年」の主演舞台「少年たち 闇を突き抜けて」が4日、東京・新橋演舞場で初日を迎えた。

1969年(昭44)に初演し、2010年(平22)に復活した歴史ある舞台シリーズ。ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題で揺れる現状を受け、名物の“おけダンス”とも呼ばれる入浴シーンは封印された。

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「少年たち」は少年刑務所を舞台に、少年たちの苦悩や葛藤、友情を描いた作品だ。戦争や格差問題などの背景もあり、全体的にシリアスなストーリーが続く中で、刑務所内での入浴シーンは観客がホッとひと息つけるようなポイントだった。上演年によってマイナーチェンジはしているが、ベージュの衣装などを着用して裸に見えるような格好で、おけを持って下半身を隠すポーズをとっておどけたり、すりガラス越しに出演者たちが肉体美を披露したりしていた。

過去にも入浴シーンそのものがない年もあり、毎回必ず披露されていたわけではないが、ファンも楽しみにしている見せ場の1つだった。今年“おけダンス”がなかった理由について、関係者は「昨今の状況を踏まえて判断しました」と答えた。性加害問題の影響が作品の演出にも及んでいる。 「少年たち」はかつて企画・構成・総合演出を手がけたジャニー氏が実際に体験した戦争の恐ろしさなども描かれていた。同氏が死去した19年からは滝沢秀明氏(41)が演出。今年は過去に同作出演経験もあるSnow Man岩本照(30)が初めて構成・演出・振付を担当し、時代設定も「20XX年」に変化。内博貴(37)演じる看守長の思いなど、さまざまなアレンジが加えられた。

美 少年岩崎大昇(21)は「今までとは違う新しい『少年たち』、新しい美 少年を皆さまにお届けできると思います」とアピール。那須雄登(21)は「支えられながら舞台に立てる喜びをかみしめ、時代に抑圧された少年たちの葛藤を、今の僕たちが全力のエネルギーを注ぎ込んで表現します」と意気込んだ。【横山慧】