5人組ロックバンドのSOPHIAが9日、Kアリーナ横浜で、ライブ「獅子に翼V」を開催し、デビュー時に在籍のレコード会社「トイズファクトリー」と再契約し、10年ぶりの新曲「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」(10日から配信)をリリースすることを発表した。

グループは13年に活動休止し、昨年10月に9年ぶりに活動を再開した。その際にボーカル松岡充(52)の中には新曲の構想があったという。「トイズファクトリーから出発した僕たち。そこで表現すること、ファンとのつながり、音楽を一から教えてくださったのがトイズファクトリーでした。もう一度リボーンしたいと、お声かけさせて頂いて再契約することになりました」と20年ぶりにデビュー時のレコード会社「トイズファクトリー」と再契約した経緯を明かした。

再契約を機に、新曲「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」の制作も本格始動した。松岡は「時代がどんどん変わっていって、声を発するのは簡単になったけど、聞きたくない声も聞いてしまう。生きていくために必要な情報とエネルギーになるものだけを抽出していくのが難しくなった。世界中にまん延している憂鬱(ゆううつ)だけど、その奥には晴れ渡った青空があるとエンタメで伝えていかないといけない」と、新曲に込めた思いを明かした。

サウンドはキーボード都啓一(51)が中心になって作ったという。都は「まっちゃん(松岡)からデモをもらった時に、ほぼほぼ形はできていた。SOPHIAらしいところと、そうじゃない新しいところのミックスな感じがあって。タイトルと楽曲のイメージがすごくマッチするなと思いました」と話した。

そして、この日のライブで限定盤ジャケットのCDを、来場者1万3000人全員に無料配布した。松岡は「20年前ぐらいは(CD無料配布を)よくやっていたんですよ。今は配信が中心で、CDプレーヤー持ってねぇよ、という時代に無料配布しようと思って」と笑った。

ライブでは新曲のほか

、1stシングル「ヒマワリ」や代表曲「街」「Believe」など27曲を披露した。そして、デビュー当時から続けてきたライブシリーズ「獅子に翼」を5回目の今回をもって終了することを宣言した。

松岡は「『獅子に翼』はデビューしてすぐの99年に、バンドとしてのチャレンジの象徴で、どこまで羽ばたけるんだろう、走れるだろうと思って続けてきました。9年間の活動休止で音楽に向き合うことができて、もう1回再結成して走り出そうということで、僕たちの願いの象徴だったライブにけりをつけようと思いました。次のステップに行くために」と説明した。

もちろん今後も、ライブ活動は続けていく。松岡は「決まっているのは、来年3月に大阪でオーケストラとコラボするライブ」と説明。さらに「24年にトイズファクトリーさんと渾身(こんしん)のアルバムを出そうと思っていて。それをひっさげて全国ツアーをまわる予定です。まだ全く相談してなくて僕だけの予定ですが」と展望を語った。