作家の伊集院静(いじゅういん・しずか)さん(本名西山忠来=にしやま・ただき)が24日、肝内胆管がんのため亡くなった。73歳だった。関係者を通じて発表した。

伊集院さんは電通に勤務し、CMディレクターとして活躍した。その中で、80年から歌手松原みきさんのコンサートのプロデュースを行った。その後も、松任谷由実のコンサートにマジックを取り入れ、松田聖子のコンサートでも大がかりなセットを取り入れるなど、斬新な演出で人気アーティストに新機軸をもたらした。またロックバンド「レイジー」のプロデューサーも務め、ハードロック路線への転向に一役買った。

1981年(昭56)に「小説現代」(講談社)に「皐月」を発表して作家デビューした伊集院さんは、伊達歩名義で「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」などのヒット曲を作詞してことでも知られる。ただ、作詞だけではなく、シティ・ポップブームが全世界で拡大する中で再評価が進む松原さんら、日本を代表するアーティストのコンサート、ライブを形作った音楽プロデューサーの顔も持っていた。