ダンスボーカルグループTRFが18日、東京・日本武道館で、デビュー30周年イヤーを締めくくる「TRF 30th Anniversary Live at 日本武道館『past and future.』」を開催した。

「TRF exicoast tour’99」ツアーファイナル以来、約25年ぶりの武道館単独公演で8500人のファンを沸かせた。

冒頭から名曲「masquerade」など3曲を連続で披露。平均年齢59・2歳を思わせない、パワフルなパフォーマンスで引き込んだ。ボーカルYU-KI(57)は「30周年といったら本当に長いんですけど、皆さんが私たちの曲を聴いてくれたりとか、カラオケで歌ってくれたりとか…今、私たちはここに立っています。ありがとうございます」と涙ぐんだ。大きな拍手に包まれ「泣いてないし! 泣くと思ってるの? 私が」と笑顔を見せた。

グループは92年に結成、翌年デビュー。94年に「BOY MEETS GIRL」でNHK紅白歌合戦に初出場し、90年代のミュージックシーンを席巻した。

同ライブのチケットは完売。SAM(62)は「現在のTRFに武道館を満席にできるのか? とか言われたりもした」と明かしつつ「ふたを開けてみたら速攻で完売して追加も出して完売するなんて。自分たちの底力を見せることができたなと思っています」。

ライブ終盤、リーダーのDJ KOO(62)は「30周年のTRFが手ぶらで来るわけないじゃない?」とにやり。YU-KIが「新曲をリリースします! 今夜この日本武道館で初披露します!」とサプライズで発表すると、この日一番の歓声があがった。昨年の30周年スタートライブで新曲発売を発表しており、約1年の時を経てファンとの約束をかなえた。

シングルとしては約15年ぶりとなる新曲「TRy the Future」(3月20日発売の30周年記念BOX収録、同日配信シングルとしてリリース)を初披露。続けて「EZ DO DANCE-Version.2023-」のイントロが流れると観客のボルテージは最高潮に。レーザービームが飛び交う会場で、メンバーとファンが一体となって身体を揺らした。

アンコール冒頭には、98年までグループの楽曲プロデュースを手がけた小室哲哉(65)からのコメントムービーが上映された。「5人、ステージに居ますね。おめでとうございます」とほほ笑み「僕はプロデューサーとしてPA席(音響スタッフの席)からドキドキしながら見ていた」と過去を回想した。「どの曲も賞味期限がないというか、今でも新しい曲。曲がいいって素晴らしいですよね」と自らを称賛。メンバーらは口々に「小室さんらしい」と笑顔でつぶやき、会場の笑いを誘った。

約3時間のライブで、アンコール含む全22曲を披露。DJ KOOは「小室さんありがとう!」と叫び、YU-KIは「32年目も頑張るぞ!」と意気込んだ。5人そろって駆け抜けた30周年イヤーを笑顔で締めくくった。【玉利朱音】