錦織一清(58)が8日都内で、自身が脚本と演出を手がけ、キャストとしても出演する舞台「あゝ同期の桜」(9日~17日、三越劇場など)の公開ゲネプロに出席した。

本作は、海軍飛行予備学生十四期会による遺稿集「あゝ同期の桜 帰らざる青春手記」をベースにした榎本滋民の原作を舞台化。錦織が演出を務めるのは15年、16年に続いて3回目。キャストとしては初出演となり、特攻隊員の上官役を演じる。二足のわらじを履いて挑む今作に「9年くらいブランクがあって良かったなと思うのが、新鮮な思いで作らせていただいた。昔の作品から引っ張り出してくるような演出ではなくて、新しい演出ができたっていうのが面白いところでした」。3度目にしてなお、作品の新たな顔を届ける。

特攻隊委員役の若手キャスト陣との交流にも触れ、「雰囲気のいいカンパニー。若い子たちに、何か指導しているというより、こんなおやじが一緒に遊んでもらってるんじゃないかと思うぐらい」と信頼を寄せた。

今年で終戦から79年。戦争を知らない世代も増えて、風化が懸念される。「僕が何か伝えるより、お客さんに感じ取っていただく方がいいのかな、と。広い意味で平和という言葉なんですけど、生活とか、あったかいものを食べることができたりとか、寒い日にあったかいお湯で手を洗えることができる世の中になって。その人たち(戦争経験者)がくれた生活をひしひしと感じるので、足元にあるようなものを観た人にも見つけて欲しいなと思います」と呼びかけた。

元SKE48の惣田紗莉渚(31)も女学生役で出演する。「錦織さんと3度目の共演でせりふを交わさせて頂くので、感動しております」と意気込んだ。

ほか、渋谷天笑、岡本悠紀、小澤真利奈、高汐巴、高橋虎之介、渡口和志、吉田和正、室将也、片岡保海、釜谷海来、新井元輝、岡澤由樹も登壇。

上田浩寛氏も脚本を担当し、錦織が脚色と演出を行った。9日~17日まで東京・三越劇場、30日、31日に京都・南座で上演される。