NHKは12日、2026年大河ドラマに、仲野太賀(31)主演の「豊臣兄弟!」を放送すると発表した。豊臣秀吉の天下獲りを支えた弟、豊臣秀長を主人公に描く。大河が戦国時代を描くのは、「どうする家康」以来3年ぶり、豊臣メインの大河は「太閤記」(65年)、「おんな太閤記」(81年)、「秀吉」(96年)以来30年ぶりとなる。脚本は「半沢直樹」「下町ロケット」などのヒットドラマを手がけた八津弘幸氏。

制作統括を務める松川博敬氏の話は次の通り。

-作品について。

「皆さんお気づきかと思いますが、太賀が大河をやります(笑い)。戦国時代の超有名など真ん中のど真ん中、豊臣兄弟を題材に扱います。秀長が長生きしていれば、豊臣家の天下は安泰だったかもしれないというお話を、実態はどうだったのかということ想像しながらお話を作っていこうと思っております。八津さんと太賀さんに、戦国時代のド直球を投げていただきたい」

-仲野太賀さんの起用理由は

「たくさん映画作品に出られていて、いい作品には必ず仲野太賀さんが出ている。よく拝見していた。豊臣秀長を主人公にしようとという時に、いちばん最初に名前が挙がり、満場一致で。直感です。『太閤記』って、少年漫画の原点だと思っていて、この時代によみがえらせ、兄弟のきずなというところで描きたい」

-タイトルの「!」について

「一目瞭然のタイトルに、躍動感を出したいと思いました。『新選組!』もついていましたし、若々しい躍動感を出したい」

-マッチョより多様性の時代となっているが、どういう大河を描きたいか

「幼少のころに『独眼竜政宗』や『武田信玄』を見て、歴史に興味を持つきっかけになった。自分がやる時、そのころの自分を思い出した。日本史の上で一番有名な『太閤記』を題材に、小さいお子さんか、歴史のことをあまり知らない人も全員が楽しんでもらえる企画をやりたいというのが出発点」

-秀長は秀吉よりも早く亡くなるが、どこまで描くのか

「秀長が亡くなるゴールかなと思っている。秀吉の天下統一を見届けて亡くなっていくところまで」

-秀吉の描き方について。

「僕自身が豊臣秀吉のファン。竹中直人さんの『秀吉』(96年)以降、脇に回ることになり、おのずと悪役になることが多い。ひょっとすると、今の若い子たちって、原点の秀吉を知らないんじゃないかと(笑い)。史上まれにみる痛快サクセスストーリーというのが『太閤記』なので、そこをもう1回やって、兄弟のきずなというのをやったら、より少年漫画みたいに面白いのではないか。秀吉の裏で秀長が努力したんだろうと、手柄は実はふたりなんじゃないかと想像する。舞台裏で兄弟がどんな会話をしたのか歴史には残っていないので、いろいろ想像していきたい」