LDH JAPAN会長兼社長のEXILE HIRO(54)が23日、大阪・東大阪市で行われた近大の卒業式にサプライズで登場し、卒業生に熱いメッセージを送った。

学校の壇上に立ち、スピーチするのは初めてというHIROは「卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます」と述べ、「だれやねん…って、けっこう不安だった。温かい声援をいただき、ホッとしています」と笑顔を見せた。

LDHの社名の由来はテーマでもある「LOVE」「DREAM」「HAPPINESS」の頭文字。

「僕は話のプロでもないし、しゃべるのも得意ではないので手紙にしてきました」と前置きし、「20代のころは挫折ばかりしていた。挫折しそうなとき、1歩前に踏み出したいとき、手紙を思い出して、自分を奮い立たせてもらえれば」と話し、手紙を読み上げた。

手紙の書き出しは「全員主役」。「全員主役はLDHのエンターテインメントを考えるときの基本的な考えで大切なテーマです。ここにいるみなさん、全員に人生の主役です。絶対に同じストーリーはない」と続け、夢を持つことについて「どこかのだれかに夢を持つことをバカにされようが、夢を見つけることをあきらめないでほしい。夢は人生の大きなテーマになる。実現するため、イメージして工夫し、行動する。それが人生の演出だと思います」と熱く語り、「夢はファンタジーではなく、未来を切り開くリアルな力になる」と力を込めた。

約5500人の卒業生の多くはコロナ禍を耐え、門出の日を迎えた。今回の卒業生は入学式が直前にキャンセルとなり、学生生活の半分をコロナ禍の中で過ごした。

新型コロナウイルス感染拡大で、LDHも大きな影響を受けた。20年に予定していたライブやイベントなど334公演が中止となり、関係者延べ10万人が職を失った。困難な状況の中で、HIROは経営者として新しいエンターテインメントのかたちを模索し続けた。

今回、幾多の制限を余儀なくされた大学生活を乗り越えてきた学生たちの卒業式へのオファーを快諾したHIROは、祝辞の後、取材に応じ「気持ちは伝わったかな。あまり格好をつけたり、背伸びするのは得意ではないので、等身大の自分でメッセージを伝えることができた」と振り返った。