歌手のさだまさし(72)と泉谷しげる(75)が15日、今年元日の「令和6年能登半島地震」の被災地を訪れた。災害支援のため石川県珠洲市をはじめ能登町、穴水町、中能登町などの役所を訪れて義援金を贈り、各所の神社で奉納ライブを行った。

さだの呼びかけで設立された「風に立つライオン基金」の呼びかけに泉谷やシンガーソングライター半崎美子(43)と相川七瀬(49)が賛同。この日は、半崎と相川も支援活動に参加した。同基金は、能登半島地震が起こった1月の後半から、被災地での炊き出しや自宅避難の方々への食材支援活動を開始。珠洲市を始め輪島市や七尾市、能登町などに既に1万4500食以上の食材を提供してきた。

さだ、泉谷らは「直接、被災地を回って支援したい」と思いを抱いて、状況が落ち着いてくるのを見計らっていた。一行は、この日の午前7時に金沢をバスで出発。3時間半の移動で珠洲市に到着。日本海側一帯の守護神と言われる「須須神社」を訪れて、お松明奉納や植樹、さらには奉納ライブを行った。滞在時間2時間の後に訪れたのは能登町役場。大森凡世町長に義援金300万円を贈った。

その後は、穴水町の介護施設「能登清水の里」を見舞い、ライブを行い、さらに穴水町役場で宮崎高裕副町長に義援金300万円の目録を手渡した。そして、最後は中能登町の久〓(低のツクリ)比古(くてひこ)神社で、さだが自らの作品「案山子」を奉納した。

泉谷は「今回は、さだに誘われて能登の被災地に来た。実は去年の11月頃、珠洲市にある『ラポルト珠洲』という会館から、今年9月21日に『会館自主コンサートをやってほしい』と依頼があった」。オファーを二つ返事で引き受けたが、今回の地震被害でできないと諦めていた。だが、会場の被害は最小限に済み、水道、トイレ以外はほぼ問題ないことが分かり、同会館から「予定通り、コンサートを開催してほしい」と再度、依頼あったことを明かした。

泉谷にとって今回の支援活動の参加は、ライブ開催に向けて現地の状況の確認でもあった。「俺としては今、珠洲市民からチケット代をもらいたくはないし、売りたくもない。やるんだったら、コンサートは『市民激励の無料コンサート』にしたい。ギャラはなしで構わないから、なんとか、市民激励の無料コンサートを実現したい」と話した。

さだと泉谷は、19日には名古屋センチュリーホールで南こうせつ(75)らと共に「がんばれ能登 緊急支援チャリティーコンサート」も開催する。