タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校112期生の入学式が19日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、競争率12倍から合格した40人が夢へ第1歩を踏み出した。

式典では中西達也校長が「芸事には厳しく、人には優しく、思いやりをもって接し、2年後には宝塚歌劇団に入団されることを期待しております」と式辞。卒業生が進む宝塚歌劇団理事長も兼任する村上浩爾理事長は祝辞を述べた。

劇団では昨秋、団員が急死して以降、過重労働解消へ向けて取り組んでおり、村上理事長は「時代に合ったルール、アップデートしていこうと取り組んでいます」と新入生へ呼びかけた。劇団代表として、雪組組長の奏乃はるとも祝辞を述べた。

式典では本科生総代からの歓迎の辞を受け、新入生総代の今井咲(いまい・さき)さん(千葉県)が答辞。コロナ禍があけ、5年ぶりにマスクなしで校歌などを斉唱。セレモニーでは、本科生が新入の予科生へ校章バッジも着け、早速ふれあった。

40人は3月27日、受験者数480人から競争率12・0倍を突破し、合格。近年続く少子化の影響に加えて、昨年秋には卒業生が進む宝塚歌劇団の宙組団員が急死するなどし、競争率は今世紀最少だったが、それでも2桁を超える高い競争率を勝ち抜いて、夢へ続く門をくぐった。予科、本科と2年にわたり、声楽や日舞、洋舞などのダンス、演劇など技術に加えて、タカラジェンヌとしての心がけ、素養などを学び、2年後、26年春の入団を目指す。

式典後、総代の今井さん、森永涼(もりなが・りょう)さん(東京都)仲田毬乃(なかた・まりの)さん(京都市)田島妃葉(たじま・ひよう)さん(兵庫県)の4人が取材対応。

男役志望の今井さんは「ずっと憧れであった宝塚音楽学校の講堂で入学式をさせていただくことができて、とてもうれしいです」と目を輝かせた。

同じく男役志望の森永さんも「ずっと夢だったグレーの制服を着て校歌を歌うことができて、本当に宝塚音楽学校の一員になれたんだという実感がわきました。今日のこの気持ち、感謝の気持ちを忘れずに努力してまいります」と言い、気を引き締めていた。

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