元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士が、フジテレビが港浩一元社長(73)と大多亮元専務(66)に対して起こした損害賠償請求訴訟について解説した。
「最近は企業に対する、何十億円という損害賠償請求が認められるケースも珍しくない」とした上で、「大きな会社の役員は、『役員等賠償責任保険』に入っている場合もあります。職務で発生した損害賠償請求を保険で払うというものです」とした。この保険が適用されるケースかどうかは、契約、約款によるという。そういった保険に入っていない、もしくは、適用外の場合、若狭弁護士は「何十億という金額を個人が払うことは、一般的には難しいでしょうから、個人破産ということになる」とした。
裁判は長期化も考えられるが、若狭弁護士は「2人がどの程度で認めるのか、どの程度反論するのか。保険適用できるのであれば、それほど争わない可能性もある。フジテレビのためにもなるし、被害を受けた元女性アナウンサー社員の保護にもなる。しかし、長年フジテレビに貢献してきた2人が、これは受け入れがたいということで争っていくのであれば、1年や2年では済まないと思います」と話した。
約40年間にわたって同局の中枢にいた日枝久元取締役相談役(87)が訴訟の対象になっていないことについては「専門弁護士が調査し、日枝さんは直接的な関与はないということで外されたのでしょう。日枝さんが院政を敷いていたというイメージ、見え方ですが、法律的に見て損害賠償請求できるかというと、そうではなかったと判断されたと思います」と解説した。
一連の問題の発端となるトラブルを起こした元タレント中居正広氏(53)に対する損害賠償請求については「実際には難しい。裁判の過程でいろいろな話が出ると、フジテレビが大事に考えている元女性アナウンサーの保護につながらなくなってしまう」としながらも、可能性はぬぐえないという。「フジテレビが内部の者の責任追及をせずに、いきなり外部の中居氏に損害賠償請求をするというのはバランスが悪い。中居氏に対して訴訟を起こす”前提”ができたとも言えます」と話した。



