デビュー10年を迎えたシンガー・ソングライターの蘭華が、11~12日に大阪・扇町公園で行われる野外イベント「レインボーフェスタ!2025」に新曲「ありがとう」を引っさげて出演する。家族愛、人生、生命、故郷、平和をテーマにした普遍的な歌詞の世界が世代を超えて幅広い世代に支持されてきた蘭華が、楽曲に込めた思いを語った。
蘭華は10年の歩みを「紆余(うよ)曲折ありすぎて、何とかやってこれた。あっという間のようで、でもすごい大変な道のり。何とかここまで来れたなって感じです」と振り返った。
15年、よしもとばなな原作の映画「海のふた」主題歌を収録したシングル「ねがいうた/はじまり色」でメジャーデビュー。16年には、全曲の作詞・作曲を手がけたアルバム「東京恋文」が、「第58回 輝く!日本レコード大賞企画賞」を受賞した。
「ちょうど故郷の大分・中津で歌ってた時で、楽屋で朗報をいただきました。故郷の皆さんの前で発表できて、すごくありがたかった」
ただ、本人が「何とかここまで来れた」と話すように、10年の道のりは楽しいことばかりではなかった。
コロナ禍の21年、1番の友人を失った。誹謗(ひぼう)中傷を受けての自死だった。友人から「約束を守れなくてごめんなさい。今まで支えてくれてありがとう。必ずてっぺん取ってね」という遺書が残されていた。友人を守れなかったことを悔やんだ。ショックで音楽を作ることもできなくなった。
くしくも、22年頃から自身も誹謗中傷を浴びるようになっていた。
「相当しんどかった。朝から深夜まで自分が攻撃されて、鏡で自分の姿を見た時に『明日、私は生きているのかな』と思うくらい追い詰められた」
自身も友人と同じ思いを経験したことで、新たな思いが生まれた。
「彼女がどのくらい苦しかったのか体感した。その時に、マネジャーから『前のアルバムから5年たつ。アルバムを作ろう』と言われていたこともあって、彼女と約束した『悩んでいる人を救う曲』を書かなきゃというのと、今、この憤りや痛み、怒りや悲しみがある時に書いた方がリアリティーもあるし、思いを昇華できると思った」。こうして生まれたのが、自身3枚目のアルバム「遺書」だった。
「生きるか死ぬかと言うくらい追い詰められた状態で、詩・曲に向きあった。うそ偽りのない、うわべだけじゃない思いを乗せた。彼女がいたからこそできた作品。悲しい決断をしないでほしい、それでも生きてほしいという思いを込めた10曲」。悩みを抱えていない人にも、誹謗(ひぼう)中傷で悩む人に思いを巡らさせてほしいとのメッセージも込めた。
一方、8月にリリースした新曲「ありがとう」は「10周年記念ですし、明るく前向きにしたいというのがあった」という。デビュー時から「老若男女に愛される曲を作りたい」という気持ちがあり、その思いを反映させた結果、「90年代というか、普遍的な懐かしさがあるものになった」と語った。
歌手光永亮太、山根康広らも出演する「レインボーフェスタ!2025」の11日の部に出演。関西のフェスに出演するのは今回が初めてだ。インストアライブなどで関西人の温かさは感じているといい、「たくさんの関西の人たちに見てもらうのがうれしい。いろんなアーティストさんが一堂に会するフェスは関西では初めてなので、ドキドキしてます」と楽しみにしている。
◆蘭華(らんか)大分県生まれ。15年、よしもとばなな原作の映画「海のふた」主題歌を収録したシングル「ねがいうた/はじまり色」でメジャーデビュー。16年、作詞・作曲を手がけた初アルバム「東京恋文」で「第58回 輝く!日本レコード大賞企画賞」を受賞。さまざまなジャンルのアーティストへの楽曲提供を行い、作詞作曲家としても活動。島根・出雲市観光大使、温泉ソムリエ。趣味は温泉巡り、旅行、アート鑑賞、寄り道、月1スナック、俳句。



