NHK連続テレビ小説「風、薫る」に大山捨松役で出演する多部未華子(37)が27日、都内の同局で取材に応じた。大山捨松は「鹿鳴館の華」と呼ばれた実在の人物。ヒロイン2人に大きな影響を与える役だ。
多部 彼女の人生をざっとですけど読ませていただいた時に「これは何て、やりがいのあるキャラクターなんだ」と思いました。すごく重みもありますし、生きてきた力強さみたいなものが(本を)読んだだけですけど、すごく伝わってきました。
演じがいのある役柄だと喜々として話した。「やりがいのあるキャラクター」とは、どんな人物としてとらえているのか-。
多部 信念というか、絶対に揺らがない、自分のやりたいことをかなえたい、っていうものが、明確にセリフの中にあります。彼女の人生そのものが異質。見た目も1人だけ異質でドレスを着ていますし(笑い)。素敵なドレスを着させていただいているので、それだけでもパッと目を引きますよね。
楽しく話す様子から、楽しく演じていることも見て取ることができる。通称「朝ドラ」は、ヒロインを務めた「つばさ」以来、実に17年ぶりの出演だ。
多部 久しぶりでうれしいな、っていう懐かしさもありつつ、すごく新鮮な気持ちです。「つばさ」の時にいたスタッフの方が、今の現場に入っていたり、久しぶりに私がいるということで、遊びに来てくださったり。本当に、思い出話に花が咲く時間もありました。20歳の時に、ほぼ1年間、一緒に頑張っていた方たちと久しぶりに再会できたら、とてもうれしかったというのもあります。
撮影に際して印象的だったのは、夫の大山巌を演じる高嶋政宏のストイックでありながら、どこかコミカルな様子だという。中でも鹿鳴館でのダンスシーンは、その前後の撮影していない時間を含めて鮮明に覚えていた。
多部 高嶋さんは、本当に真面目な方で、私は付いていった、という感じでした。ダンスの先生にも「女性ができることはありません。男性のリードに付いていってください」と言われていました。だから高嶋さんが大変だったんじゃないかなと思います。私がダンスの稽古に入る前から(稽古場に)入って、1人でクルクルと回って練習していらっしゃって。「休憩」と言われていても、高嶋さんは1人で練習していて。「僕に付いてきてください」「僕に任せてください」という感じで。とてもチャーミングで面白い方でした。
ダンスも熱心に稽古した裏には、多部がもともと、10歳の時に見た舞台「アニー」に影響を受けて、女優を目指したという背景がある。
多部 ミュージカル好きの両親に連れて行かれて「アニー」を見た時に「私もここに立ちたい」と思ったのが、エンターテインメントという世界に興味を持ったきっかけですね。「アニー」は主人公を10歳か11歳ぐらいの女の子がやる役で、当時、見に行ったのが10歳。同じぐらいの子が、こんなにキラキラと輝いて、歌って、踊って。(それに比べると)私には何もないなと思って「私も習いたい」と思ったのがきっかけなんです。
「鹿鳴館の華」として、華麗なドレスでダンスを踊ることで、ヒロインの2人、さらには視聴者にも大きな影響を与えている。その裏ではダンスはもちろん、英会話のレッスン、大山捨松という実在の人物を深く知るための勉強も欠かさない。「風、薫る」の物語が進むのと比例して、多部の存在感も一段と増してきそうだ。【高田文太】



