タレント上原美優(22)の母藤崎イチ子さんが先月29日に心筋梗塞(こうそく)で亡くなっていたことが3日、分かった。65歳だった。通夜、葬儀・告別式は近親者のみで、自宅のある鹿児島・種子島ですませた。イチ子さんは先月28日に突然体調を崩し、翌29日に他界。上原は同日の仕事中に都内で悲報を聞いたが、取り乱すことなく、テレビ出演などを気丈にこなしていたという。母の死に目には立ち会えず、同30日に種子島へ帰郷。布団に寝かされた母と対面し、泣きながら手を握っていたという。

 上原は10人きょうだいの末っ子として生まれた。大家族のために貧しく、下着が足りずにノーパンで通学したり、おやつ代わりに草や花を食べていた。17歳で芸能界デビューした後、これらの貧乏エピソードを披露し、「貧乏大家族タレント」として人気が急上昇した。

 一方では子供10人を育て上げたイチ子さんを心から尊敬した。末っ子で特にかわいがられたことから、母の急死による精神的なショックは大きかったはず。イチ子さんは28日に倒れるまで、畑仕事や家事を普段と変わらずに行っていたという。

 くしくも上原は先月30日からの3連休を予定しており、今回の帰郷で仕事への影響はほとんどなかった。上原が生まれた時には、年上のきょうだい3人は独立し、実家が狭くて集まれないことから、きょうだい10人がそろったのは今回が初めてだったという。イチ子さんは忙しく家事をこなしながら、末っ子が出演するテレビ番組を楽しんで見ていた。この日、帰京した上原は、天国の母を喜ばすためにも、タレント活動を続けていくという。

 [2010年4月4日6時51分

 紙面から]ソーシャルブックマーク