女優上戸彩(24)が、初めて視覚障害者の役柄を務めた。9月のフジテレビ系2時間ドラマ「愛はみえる~全盲夫婦に宿った小さな命」で、全盲視覚障害があるシンガー・ソングライター立道聡子(28)をモデルにした主役を務めたことが19日、分かった。立道が自身の半生をつづった著書「愛はみえる~全盲夫婦の“たからもの”」のドラマ化。視覚障害者同士の結婚や周囲に猛反対された出産、奮闘を続ける育児など、立道が乗り越えた数々の困難を上戸が表現した。

 「今回、この作品に携われたことに意味を感じています。日常生活に不自由を強いられる中で、いくつもの壁を乗り越えた“家族の温かさ”を感じてもらえればうれしいです」。同じく全盲の立道の夫を演じた小出恵介(26)とともに、今年1月に東京都盲人福祉協会から指導を受け、白杖(はくじょう)の使い方や所作を学習。立道夫婦とも会い、実際のしぐさを演技に取り入れた。さらに上戸は夫婦の自宅を訪れ、家具や生活用品の配置など、工夫されている様子を見学。2月の撮影に向けて、立道に近づく努力を続けた。

 未経験だったピアノも猛特訓した。クライマックスで、立道のデビュー曲「たからもの」をピアノの弾き語りで披露している。プロデューサーの村瀬健氏は「聡子さんの明るさや強さを表現していただくためには、上戸さんがベストだと思い、お願いしました。上戸さんと小出さんは、若手俳優の中でも演技力に定評があり、難しい役に挑戦してもらいました」と話した。

 上戸は小出の主演映画「シュアリー・サムデイ」(小栗旬監督、公開中)に本人役で出演しているが、2人が夫婦の設定で本格的に共演するのは初めて。全盲カップルの涙と愛の物語を演じ、視聴者にさまざまな感動を与えてくれそうだ。共演は北川弘美、キムラ緑子、田中美佐子ら。

 [2010年7月20日8時36分

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