女優井上真央(26)が、ベストセラー小説の映画化「白ゆき姫殺人事件」に主演することが14日、分かった。「告白」「夜行観覧車」などで知られる作家湊かなえさんが昨年発表した同名原作小説。

 若手演技派の井上が、殺人事件の犯人として疑われる謎の女性、城野美姫を演じる。化粧品会社の美人OL殺人事件で、マスコミから疑惑の目を向けられる同僚OLだ。井上は「『地味でつまらない女性というこの役は井上さんしかいない』と言われた時、複雑な気持ちと、何だか不思議な喜び、根拠のない自信が湧いてきました」と話す。

 相手役となるワイドショーのディレクター、赤星雄治を俳優綾野剛(31)が演じる。被害者周辺を取材しながら、やがて井上演じる城野を犯人扱いしていく番組のディレクターだ。綾野は「湊かなえさんの世界観を、どこまで体現できるか不安でスリリングでなりません」と胸躍らせている。また「浅はかな赤星役を、監督やスタッフ、キャストとともに深く共犯させていただきます」と話す。

 メガホンを取るのは、「アヒルと鴨のコインロッカー」「チームバチスタの栄光」などで知られる中村義洋監督。「つまらない女、薄っぺらい男という、普通断りそうな役を引き受けてくれた井上さん、綾野君に感謝、感謝。顔の見えない人々の悪意、怖さを存分に描きたい」と話す。

 撮影は9日からスタートした。井上は昨年、「八日目の蝉」で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲得。今後もコメディー映画「謝罪の王様」や、太平洋戦争を題材にした「永遠の0」などの出演映画の公開が控えている。衝撃の展開が話題となった作品について「これまで味わったことのない恐怖を体感しながら、つまらない女を存分に楽しみたいです」。来年春公開予定。【瀬津真也】