2020年東京五輪・パラリンピックの大会機運を盛り上げるため、1964年東京五輪前に流行した「東京五輪音頭」を現代風にアレンジした「東京五輪音頭-2020-」が24日、都内で初披露された。この日は20年東京五輪開幕までちょうど3年だった。

 新音頭を歌うのは3人の歌手で加山雄三(80)、石川さゆり(59)、竹原ピストル(40)。加山、石川は日本を代表する歌手で、竹原は「よー、そこの若いの」という楽曲が住友生命のCMソングに選ばれるなど、若者を中心に人気が広がっている。

 新音頭では歌詞も20年バージョンにリニューアルした。元祖では「♪あの日ローマでながめた月が」と60年ローマ大会を示す歌詞があるが、20年版では「リオデジャネイロでながめた月が」と変更。64年大会は開催時期が秋だったため、元祖の4番は「秋の空」や「赤とんぼ」との歌詞があるが、新音頭では「夏の空」、「蝉の声」に替えた。さらに新音頭では5番が丸々追加され「2020」を「フレフレ」と読ませて、応援歌の要素も加えた。

 この日登壇した石川は64年大会は6歳で迎え、地元の熊本でテレビを見ていたという。「小さなテレビに真っ青な空が映って、五輪が描かれた。『ブラウン管の横に立ちなさい』と両親に言われて、写真を撮りました」と振り返った。

 大会組織委員会の森喜朗会長は「(会場の中で)三波さんの歌(東京五輪音頭)を64年の時に歌ったのは僕ぐらい。今回のはテンポが速いが練習しました。パラリンピックという歌詞も入ってる」とアピールした。

 元祖「東京五輪音頭」は63年6月に発表され、故三波春夫さん、故坂本九さん、橋幸夫ら10組の歌手が歌唱した。中でも三波さんは約250万枚を売り上げる大ヒットで、東京五輪の顔の1つとなった。

 大会組織委員会はこの日までに、エンブレム入りの法被や浴衣を発売。今夏、全国で行われる夏祭りや盆踊りで「新東京五輪音頭」を使って大会を盛り上げてほしいと奮闘している。