公式戦29連勝の新記録を樹立した将棋の最年少プロ、藤井聡太四段(15)が20日、大阪市の関西将棋会館で指された王座戦予選で小林健二九段(60)を破り、公式戦通算41勝目(6敗)を挙げた。この日は今期から参加できるようになった王座戦の初戦。これで昨年10月のプロデビュー以来、8大タイトルすべての予選に参加を果たした。

 小林は故板谷進九段の弟子で、藤井の師匠杉本七段の兄弟子にあたる。両者は8月15日の王位戦予選で初対局し、藤井が白星を挙げていた。今回も序盤から攻め続け完勝した。同門の大先輩からの連勝に「難しかった」と振り返った。

 一方、ベテラン小林は前回に引き続き、気合の羽織はかまの和服姿。対局後、小林は「1カ月前は立ち上がりから動かれ、速い仕掛けで負けた。今回は立ち上がりは気をつけた。ただ中盤、終盤は新型エンジンと旧型エンジンの差が出た」と感想を語った。

 藤井はプロ入り後、約1年が経過した。「感慨深いというか、あっという間の1年でした」と振り返り、8大タイトルの参加を果たしたことに「引き続き1つでも上を目指していきたいです」と話した。

 王座のタイトルは羽生善治2冠(46)が保持している。現在、五番勝負が行われており、挑戦者の中村太地六段(29)が連勝で王手をかけている。藤井王座のタイトルに挑戦するには1次予選、2次予選、挑戦者決定トーナメントとすべてトーナメント戦を勝ち抜く必要がある。