京都市伏見区のアニメ製作会社「京都アニメーション」のスタジオの放火火災で、火を付けたとみられる男が警察に取り押さえられたときの様子について、現場近くに住む女性(61)が18日、日刊スポーツの取材に応じ、生々しく語った。

午前10時35分ごろ、女性の自宅の呼び鈴が鳴った。外に出てみると、玄関左の道路脇に大柄な男が倒れていた。あおむけで、膝を曲げた状態で横たわっていた。白いTシャツに青いジーンズ姿の素足。足は血だらけだった。ジーンズの両膝の下が燃えていたため、女性は火災の被害者だと思い、ホースで水をかけて消火した。女性が「大丈夫ですか?」と声をかけたが、返事はなく、男は苦しそうな表情を見せたという。両腕はやけどで皮膚がめくれ、髪はチリチリに焼けていた。

間もなくして、数人の警察官が到着。男を取り囲み、「なんでこんなことをしたのか」「どこから(現場の)建物に入ったのか」などと質問を始め、男を連れて行った。内容はよく聞き取れなかったが、男は強い口調で、なにかに対する恨みつらみのようなことを話していたという。ただ女性がはっきりと聞き取ることができた言葉があった。

「パクりやがって!」

男は体全体に怒りをにじませながら、吐き捨てるように言ったという。めくれたTシャツのおなかの部分には赤い絵柄の入れ墨があった。男が倒れていたあたりには血の足跡が残っていたという。

女性は「男の顔は緑の怪物の映画に出てくる主人公みたいな顔色だった。血の気がなかったからなのか、すごい顔をしていた」と声を震わせた。【松浦隆司】