コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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長野県王滝村の御嶽山にある神社、十二大権現を訪れると赤、白の「猿ボコ」という小さな人形が社殿の下に供えられている。中には子供用のお菓子もあり、何ともかわいらしい。

十二大権現には「木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」という神がまつられている。火難除け、安産・子授け、酒造りなど幅広い御利益・御神徳がある神だ。逸話では、12人の子を授かった夫婦がいたが、妻に先立たれてしまう。乳飲み子の母乳に困った夫が、御嶽山に参詣したところ、乳が出るようになったという。

子授け、子育ての神様として親しまれている。男の子がほしい人は白、女の子がほしい人は赤の「猿ボコ」を1個お守りとして持って帰る。願いがかない子宝を授かったら、お礼に12個の「猿ボコ」を作り参拝する習わしだ。

「猿ボコ」は岐阜県飛騨地方で見られる「さるぼぼ」に見た目も名前も似ている。飛騨の方言で猿の赤ちゃんを意味するお産のお守りだ。御嶽山周辺でニホンザルの親子をたくさん見た。これも木花開耶姫命の御利益なのかもしれない。【滝沢徹郎】

<撮影データ>4月17日午後2時20分撮影 ニコン「D5」 70-200ミリズーム (焦点距離180ミリ) ISO感度1600 シャッタースピード500分の1 絞り8