仙台育英(宮城)が今日21日から9月30日まで、同校公式YouTubeと特設ホームページを活用したオンライン文化祭を開催する。「第64回育英祭 私たちのオンラインチャレンジ!!」と題した文化祭には文化会・学芸部など計18団体が参加。うち8団体はユーチューブで実技も披露する。生徒たちもホームページやユーチューブのチャンネル制作に関わる全国に先がけた取り組み。コロナ禍の中でも、企画委員の1人で書道部顧問も務める渡辺章紀教諭(47)は「多くのイベントが中止や延期になる中で取り組んできたことを発表できる貴重な機会」と捉えている。

ユーチューブ収録は8日、多賀城校舎(宮城・多賀城市)グローリーホールでA、Bの2グループに分けて実施した。「3密」を回避し、入校時の検温やマスク着用を徹底。殺菌用の次亜塩素酸水生成器を設置して各所にスプレーボトルを配置するなど、入念なクラスター防止対策を行った。

「書の甲子園」と呼ばれる国際高校生選抜書展で、昨年度まで東北地区5連覇中の書道部は書道パフォーマンスをユーチューブで披露。初出場を目指していた7月下旬の「書道パフォーマンス甲子園」(愛媛)は中止になったが、硬式野球部の甲子園アルプス応援にも使われている「ダイナミック琉球」の曲に乗って、約6分間の作品を完成させた。

東京オリンピック(五輪)の種目になった琉球空手をモチーフにしたテーマは「鼓舞」。復興途上の東日本大震災、昨秋の台風19号や今夏の大雨被害、さらに五輪延期やコロナ禍と、苦難に立ち向かう多くの人々を鼓舞する気持ちを縦4メートル、横6メートルの白紙に込めた。部員27人。パフォーマンスメンバーに初めて選ばれた部長の岡茜里さん(3年)は「三度目の正直なので全国大会に出たかったけれど(オンラインで)全国に発信できます」と前向きに話した。

コロナ禍の影響を受けるのは運動部だけではない。私学と公立の環境は違うが、情報通信技術を活用するICT教育に力を入れる取り組みは、他校の指針にもなる。【佐々木雄高】